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STARDUST唐eLAMEHAZE
第一部 PHANTOM BLAZE
エピローグ 〜BEYOND THE WORLD〜
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てくされた面もちで、でも生来の面倒見の良さでさりげなく友人
通称 “オガちゃん” の名で親しまれているスレンダー少女に促す。
「!」
 言われた方の少女は一瞬、口を半開きにしたままその両目を見開いた。
 ここ最近少女は、どこにいても周囲の目を引く無頼の貴公子
“空条 承太郎” は例外としてその傍らにいる中性的な風貌の美男子、
“花京院 典明” の事を会話の折りに冗談めかして挟む事があったので
その事から彼女自身も気づかないまま 「彼」 に対して興味、
或いは憧憬に近い感情が有るのではないかと密かに推察していた。
 無論、目の前に拡がる大集団の中には承太郎のみではなく
花京院目当ての女生徒もたくさんいるから狭き門ではあるが、
何も行動しないよりはマシだと考えての配慮だった。
 しばらくその頬を年相応に赤らめ、沈黙していた緒方 真竹だが
やがて軽く頭を振っていつもの明るい表情に戻ると、
「ン? ンン〜? ちょっと興味あるけど、今日はよしとく。
傍にいる 「姫」 サンが怖いからサ」
そう言ってマスコットの付いた学生鞄を両手に担ぎニャハハと笑った。
 言いながらも少女は視線の隅で、
空条 承太郎と言葉を交わしながら時折爽やかな笑顔を浮かべる
美男子の姿を追いかけていた。
「……」
 池は慣れた手つきで眼鏡の縁を(つま)みその位置を直す。
 彼は、花京院 典明は、ほんの10日ほど前、突然学園に転校してきて、
そしてその年齢に不釣り合いな知性的な瞳と女性と見紛うほどの華麗な風貌、
加えてどこか人間離れした、神秘的な雰囲気も相()って転校初日にして
全学年の女生徒が(中には教師も混じっていたとかいなかったとか)
彼を一目見ようと教室に殺到し、
学園全体が軽いパニック状態に陥ったという「逸話」を持つ男である。
 更にその 「彼」 は学園内では誰一人として連まず決して心を赦さない鋼鉄の無頼漢、
空条 承太郎と 「友人」 同士だというのだから周囲にとっては二重の絨毯爆撃であった。
 故に彼は、クラスも一緒というコトも在ってか学園内ではよく
空条 承太郎と二人でいるコトが多い(正確には用心棒の「先生」も含めて「3人」だが)
 今までは男だろうと女だろうと、馴れ馴れしく近づいてくる者に対しては常に
“うっとうしいぞ!” のセリフのみで悉く一蹴してきた空条 承太郎が、
何故か花京院にだけは気さくに声をかけ、行動を共にしている姿を何度か見掛けた。
 一度、学生食堂で彼が花京院と肩を並べ、
一緒にラーメンを啜っている所等を目撃した時は
想わず手にしていた紙コップを落としそうになったほどだ。
(その隣で山積みになっている「先生」のメロンパンの量に驚いたというのもあるが)
 無論、「友人」 同士であるなら
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