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第一部 PHANTOM BLAZE
エピローグ 〜BEYOND THE WORLD〜
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 もっとも、その二人の傍らは今や最も近く、最も遠い場所と成ってしまったが。
 多くの女生徒達にとっては正に 「聖域」 にも等しき場所で在るその二人の間に、
いつも当然のように陣取っている、
妖精のように可憐な風貌だが絶対的な強さと知性を兼ね備える
天が誤って二物も三物も与えてしまった用心棒の「先生」によって。
 ちなみにこの「先生」は、
その容貌は似ても似つかないが件の美青年の従兄弟(いとこ)であり、
そしてその明晰な分析力と観察眼で何人もの教師のアイデンティティーを粉々に粉砕し
再起不能に陥れたという 「武勲」 を誇る。
 直近では体育の自由競技で行われたドッジボールでの、
中性的な美男子との異次元レベルでの 「攻防」 が記憶に新しい処である。
(ちなみに「決着」はつかず。もう一人の無頼の貴公子は当然の如くサボり、
屋上で銜え煙草のままその様子を覗っていた)
 まぁそんなこんなでただでさえ遠かった空条 承太郎の傍は、
今や完全に難攻不落、無敵の超要塞を化してしまった。
 その様子を、そこから更に遠巻きに見る人影が数名。
 目の前の、大名行列真っ青の「一団」からすれば、
存在を掻き消されそうな幾つかの下校グループ。
 その中の一つから陽気な少女の声があがった。
「かぁ〜。相も変わらずだねぇ〜。空条クンは」
 その声を発した一人の少女は、周囲の女生徒達と比べてもかなり背が高く、
すらりと均整の取れたスレンダーな躰付きをしている。
 下校途中なので当然制服姿だが、まるで少年のようなショートカットの髪と
その躰から醸す健康的な雰囲気から一目でスポーツ少女だというのが視て取れる。
「ねぇ池クン? 男の立場からすると、やっぱあーゆーのに憧れるモン?」
 スレンダー少女がTVリポーターのように手をマイクの形に模し、
脇の「池」と呼ばれた縁取り眼鏡の少年に問いかける。
「そうだね。男の僕からみても、魅力的な人物だと想うよ」
「えぇ〜!? ソレって問題発言じゃない!?」
 眼鏡の少年の受け応えに、少女は陽気な声で大袈裟に返す。
「ご、誤解だよ! 緒方さん! 僕はただ客観的な事実を述べただけでッ!」
 池という少年と緒方と呼ばれた少女が、
しばし無邪気な冷やかしと生真面目な抗弁を繰り返した。
「……」
 その二人の傍らでもう一人の小柄な、
肩口でキレイに整えられた亜麻色の髪の少女が俯いて歩く。
 自分の脇では親友である少女 “緒方 真竹” の、
そして同じく友人である “池 速人” に対する冷やかしがようやく一段落付いたようだ。
「そういう緒方さんは一体どうなんだい? 
興味があるなら「あの中」に混ざってくれば良い。
僕達に気兼ねしなくていいんだよ」
 散々からかわれて面白くない池は
少しふ
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