第一部 PHANTOM BLAZE
エピローグ 〜BEYOND THE WORLD〜
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館のアクション・シーンでスクリーンに映ったフルCGのモンスターを
新手の “徒” と勘違いしたシャナが暗闇の中突如炎髪灼眼に変わり、
纏った黒衣を気流に靡かせながら劇場の大スクリーンを大太刀
“贄殿遮那” で一刀両断の許に斬り裂いて逃げた事や――
……
と、まぁ、逃げてばかりではあるが取りあえずはスタンド使いにも
紅世の徒にも襲われる事はなく日々は平穏だった。
「……」
美形二人に挟まれるようにして歩くシャナは、
まだ少しムッとした表情で目当ての場所に向け歩を進めていた。
その表情の「理由」は、
二人が自分を置いてけぼりにしようとしたコトとはまだ別に在った。
実は、この二週間の間アノ時の 「記憶」 が、
紅世の王 “狩人” フリアグネとの壮絶なる死闘、
互いの剣技と焔儀の限りを尽くした極限レベルの炎熱戦、
ソノ、 「最後の部分が」 どうしても思い出せない。
“煉獄ノ太刀” の一斉乱射でアノ男を 「討滅」 した所までは覚えているのだが、
どうしても 「その後」 が。
今までの “紅世の徒” 討滅の際、頭部、特に脳に強い衝撃を負った時
その前後の記憶が 「飛ぶ」 というコトはまま在ったのだが、
フレイムヘイズで在る自分にとっては 『討滅した』 という結果のみが
重要だったのでその 「喪失した部分」 に気をかける事はなかった。
しかし、ならば何故? 今回に限って “そんなこと” が
無性に引っ掛かっているのだろう?
でも、そんな意味のない筈の事が何故かどうしようもなく気になって仕方がない。
どうしても想い出したいような、逆に、何が何でも想い出したくないような、
相反した感情が相克状態に陥って一歩も引かない。
なにか、“スゴク大事なこと”
或いは、“途轍もなく凄まじいコト” を
“ヤってしまったような” 気がしてならないのだが。
その事について同じ場にいた承太郎に訊いてみると、
“さぁな? オメーが覚えてねーんなら、別に何にもなかったンじゃあねぇか?”
と、すげなく言われ。
アラストールに訊くと、
“我は知らぬ。 何も見ておらぬ”
と、強固な口調で言われ。
花京院に訊くと、
“……別に”
と、何故か少しムッとした口調でそう言われ。
勢いでつい訊いてしまったジョセフには、
“なんでワシに訊くんじゃ?”
と、尤な正論を苦笑で返されてしまった。
結局 「真相」 は闇の中。
誰も知らない宇宙の果てでも在るかのように永遠の謎となってしまった。
まぁ、肝心要の紅世の王は討滅したわけだし、
そのコト自体は覚えているわけだから、
本当に何も無かったのかもしれない。
常識的に考えて 「その後」 に何か特別なコト等起こりよ
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