暁 〜小説投稿サイト〜
STARDUST唐eLAMEHAZE
第一部 PHANTOM BLAZE
エピローグ 〜BEYOND THE WORLD〜
[13/33]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
々の芳香の中、3人ともほぼ無言で桜並木のなか歩を進めていたが
険悪な雰囲気は微塵も感じ取れなかった。
 ソレ所か言葉には出さなくとも、互いに繋がり合っている強い 『信頼』 が
今はもう三者の間には在った。
 そんな穏やかな沈黙の中、所々傷の在る潰れた学生鞄を持った
美貌の青年が口を開く。
「腹減ったな。ラーメンでも食ってかねぇか? 花京院?」
 呟くように青年は、小さな影一つ隔てた中性の美男子に問いかける。
「そうだね。少し歩くけれど、美味しい所を知ってるよ」
「決まりだ」
 そう言って承太郎は花京院の掌を叩き、彼も同じようにソレを返す。
「ダメ。アノ喫茶店に行くわよ」
 まるで対戦格闘ゲームの乱入者のように、
真ん中の少女の声が割り込んだ。
 その凛々しき事、閼伽水(あかみづ)に磨かれた滔鉄の如く、
有無を云わさぬ響きで少女は両隣を歩く二人に告げる。
「じゃあオメーとはここでお別れだな」
「さようならシャナ。また学校で」
 少しだけ(よこしま) な口調と変わらぬ穏やかな態度で、
両脇の美男子がそれぞれ告げる。。
「うるさいうるさいうるさい。おまえ達に選択権はないわ」
 その二人に対し少女は相変わらずの暴君さ返した。
 承太郎はやれやれと肩を(すく)め、花京院も仕方ないねと細い両腕を広げた。
 一度、一人ズンズンと歩を進める少女を何となくそのまま見送り、
二人が付いて来てない事に気が付いた少女がキッとした表情で
こちらを振り返って睨んだ後、(しば)しの間、
そのままいきなり小さな肩を震わせふぇっと泣きそうになったので
この小さな姫君のわがままは、極力素直に聞き入れるというのが
この若き 『スタンド使い』 二人の共通認識となっていた。
(長身の男二人の間に小柄な少女が一人涙を浮かべていれば、
どうみても「悪者」は『こちら側』である)
 アレから――
 異次元世界の 『能力者』 紅世の王 “狩人” フリアグネとの死闘から
既に二週間が経過していた。
 そして日々は、それなりに平穏で過ぎていた。
 そして、その戦いに身を投じた3人も、
一様に変わらない普通の高校生と同じように時を過ごしていた。
 例を挙げるならば、
アミューズメントパークで承太郎の出したパンチング・マシーンのトップスコアに
対抗意識を燃やしたシャナが、フレイムヘイズの力を抑えず 「本気」 で殴って
機械を叩き壊し逃げた事や――
 カラオケ店の個室で承太郎の歌う洋楽と花京院の歌う邦楽が軒並み90点以上の
高得点を連発する中、ようやく自分の知っている歌を見つけ承太郎の番に割り込んで
歌ったシャナの童謡が見事19点の大台を叩き出しキレたシャナが
カラオケの機材を蹴っ飛ばして破壊し逃げた事や――
 映画
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ