§70 怠惰の魔王あとしまつ
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。三流チンピラともいう。
「王たる貴方様がそんなことをなさらずとも。手足となる者どもを見繕えば済む話でしょうに。御身でしたら跪いて忠誠を誓うものに事欠かないでしょう。世界のすべてを手にすることも出来る筈です」
本心から言ってそうなダヴィド。だめだこいつ、なんていいたいけれどそれを言ってもきっと無意味だ。黎斗には表だって動けないワケがあるなんてこと、他の誰かが知るはずもない。
「……歴史を変えすぎるワケには行かないんだよ」
黎斗は歴史を知っていた。だからやろうと思えば色々なIFを作れた。
――――レコンキスタに参戦していたら
ロンギヌスの真の力を見せつけていたならばどうなっていただろう
――――チンギスハンとひたすら馬を乗り回していたら
あの気弱な少年に最後まで付き合うのも悪くなかったかもしれない
――――大阪城で豊臣方について夏と冬を戦っていたら
黒衣の僧正相手にどこまで策を突破できただろう
――――第二次大戦で暴れまわっていたら
戦艦とか軍艦をコレクションに加える気が起きないから引きこもってはいたけれど
歴史を弄ぶな、なんて彼の老人に頼まれたからだけではない。せめて、元の家族がいる可能性を。そんな女々しい感傷。
「れーとさん?」
「ん、なんでもない」
未練だね、などと内心思いつつ。黎斗は廃屋を後にする、あとは甘粕達がやってくれるだろう。
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