暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Eipic7-Bホテル・アグスタ〜Team Scitalis〜
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いてくれると思うな。同じ大切な人にミスショットしちゃった過去があるから。ホント、ティアナってばわたしにそっくり。恵まれた仲間を持ってたり、その所為で劣等感を抱いちゃったり、焦ってミスショット撃っちゃったり。

(今回の一件はわたしにも責任がある。あの時、ティアナを追っかけてでも話しておけば良かった。そしたら、もっと違う結果になってたかもしれない)

後悔ばかりが出てくる。でも、こんな失敗は今回限りだ。ティアナが歩こうとしてる道を先駆けてるわたしが、あの子を別の道へと導こう。そう思って裏手へ向かうと、そこにティアナの姿はなくて。

「あれ? ティアナ・・・?」

辺りを捜してみると、「――止まりなさい!」ティアナの声が聞こえた。声の出どころは地下駐車場から。脳裏に最悪な光景が浮かぶ。ここで敵が出てくるとなると高確率で本命。ホテルに直接乗り込んでくるような奴なんて、そうとしか考えられない。

「ティアナ!」

急いで地下駐車場へと降りる。そこにはティアナと、キャロくらいの女の子が対峙してた。まず“エグリゴリ”じゃないことに心底安堵した。その小さな体で大きな長方形型のケースを抱えてるその女の子が「見つかっちゃった」小さな声でそう言ったのが、駐車場内に響いてわたしの耳にまで届いた。そして、足元にスミレ色のベルカ魔法陣を展開。

「「っ!!」」

女の子がフェイトやなのはクラスの魔力を放出した。わたしはすぐに「撃って、ティアナ!」叫んだ。あんな魔力で攻撃されたら、今のティアナ防ぎきれない。ビクッと肩を竦めたティアナが「っ・・・!」“クロスミラージュ”の引き金を引いて、魔力弾1発を発射したんだけど・・・

「「消え、た・・・!?」」

一瞬で女の子が消えた・・・かと思えば、ティアナのすぐ後ろにいきなりスッと音もなく現れた。振りかぶられた右拳には魔力が付加されていて、明らかに攻撃動作だって判る。“クロスミラージュ”からの警告で、「っ!」ティアナも後ろに居る女の子に気付いたようだけど、あまりにも遅すぎた。

(馬鹿馬鹿! 何でこういう時に限ってわたしはラッキーシューターを持ってないの!?)

手元にはハリセン型のストレージデバイス・“ハリセンスマッシュ”。純粋魔力攻撃なら問答無用で打ち返せるし、防御魔法も1発とはいかないけど砕くことが出来るし、結構な優れ物。だけど近接系。だから、ここから女の子を攻撃できない。

(迷って・・・いられないよね!)

――ソニックムーブ――

ティアナを助けるために、フェイト直伝の高速移動魔法を緊急発動。そして・・・

「ハーツイーズストライク・・・!」

目の前が綺麗なスミレ色の魔力光に満ちて、次の瞬間・・・わたしの意識は途切れた。


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