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インフィニット・ストラトス 黒龍伝説
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かりました。事務室の方でお待ちしておきます」

う〜ん、教師としては良い人なんだけど、発展途上だよな。自分に自信を持てれば一気に化ける。長年教師をやってきたからよくわかる。惜しい、実に惜しい。オレがいる3年の間に化けてほしいな。







「鈍い、遅い、脆い」

優先的に貸し出してもらっているラファール・リヴァイブを動かした後に整備室に持ち込んで整備を行いながらデータに目を通して出した結論だ。

「鈍いのは部分展開でウィングユニットだけを展開することで誤魔化そう。遅いのは、なんとか馴れよう。問題は脆いことか。こればっかりは手のつけようがないぞ」

関節部分を分解して新しいパーツに取り変えながら愚痴る。魔力で強引にもたせてもいいが記録に残るしな。PICで優先的に保護するしかないか?Gは鍛えてるから大丈夫だとか言い切って。

「むっ、匙か。こんなところで何をやっている」

「ああ、織斑先生ですか。見ての通り、整備ですよ。軽く本気を出したら関節部分が許容できない消耗を起こしましてね。パーツを取り替えてるんですよ。あと、今までの生徒が使ってきて付いている変な癖の調整も並行して」

「変な癖?」

「右利きばかりが乗ってたせいで右手の方に微妙にエネルギーを回しすぎているのとかですよ。両利きのオレの邪魔になってるんで。まあ、他にも色々と」

「入学したばかりのお前にそんなことができるのか?」

「ISって言ったところで所詮は機械でしょう。基本は変わらないですよ。キメラを弄ってるんじゃないんですからこれぐらいはね」

関節部分のパーツの取り替えを終えて工具を片付ける。そのままカートを動かして元の位置にラファールを戻す。

「おっと、そうだ。織斑先生」

「なんだ?」

「たぶん、パーツをガンガン磨り潰すと思うんで先に発注をかけてもらいたいんですけど、大丈夫ですか?」

「……どれだけ潰す気だ」

「とりあえず毎日乗って、毎日オーバーホールするつもりで磨り潰します。データを大量に取れって政府の方から言われてるんで」

「分かった。上に通しておいてやる」

「ありがとうございます。あと、それとは別にお願いがありまして。こっちは時間がかかってもいいので許可を取ってもらいたいんですが」

「何の許可だ?」

「手作りのベーコンを作るのに燻製を行う許可を。道具は自分で用意しますし、ベーコン以外にも作ったような気がしないでもないですね」

「……賄賂のつもりか」

「酒好きに燻製嫌いは居ないでしょ。今日、香水でごまかしてましたけどビールの臭いが染み付いてましたよ。まあ、昨日だけで織斑の奴は色々やらかしてましたからね。肝臓を悪くしないでください」

「そんなに匂っていたか?」
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