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STARDUST唐eLAMEHAZE
第一部 PHANTOM BLAZE
CHAPTER#END
戦慄の暗殺者FINAL 〜LAST IMPRESSION〜
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「歓喜」が湧き上がってきた。
 最愛の 「彼女」 と、もう一度 「再会」 出来るという歓びが、
躰を蝕む苦痛すら上回った。
 そし、て。
 眼前で捲き起こる、灼熱の咆吼と刳り出される劫刃の乱舞。
「うるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさい
 うるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさい
 うるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさい
 うるさいうるさいうるさいうるさァァァァァ―――――――――いッッッッ!!!!」
 次々と湧き上がる激しい喚声と共に己が全身を、その存在を、
数多の斬撃技で以て刳り出される灼紅の劫刃で刻まれながら、
フリアグネは憂いに充ちた表情のまま、呆然と己の想いを反芻していた。
 逃れられない絶対の「死」を目の前にするコトによって初めて生まれ出ずる、
極度に引き延ばされ、静止した 「世界」 の中で。
(本当は……本当……は……もう……とっくに……解っていた……
“私の方から”……君の処へ……旅立たねば……もう……君とは……
決して…… 「再会」 ……出来ないと……いう……事は……)
 無数の朱い斬閃と、次々に舞い散る白い、存在の火飛沫(ひしぶき)
 その色彩、哀しいほどに鮮やかな、花片(はなびら)の如く。
 ソレと一緒に散華する、フリアグネの想い。
 何の偽りようもない、真実の想い。
(でも……認めたく……なかった……頭で……解って……いても……
まだ……この世界の……どこかに……君が……いるような……気がしたから……
この……一秒後にでも……私の前に……ひょっこり……君が……現れて……
いつもの……ように……微笑みかけて……くれるような……
そんな……気が……したから……)
「―――――――――――――――ッッッッ!!!!」
 叫びと共に数多の劫刃を繰り出し続けるシャナの躰にも、
フリアグネの全身から迸る純白の炎が、生命の飛沫(しぶき)が、
返り血のようにかかる。
(燐子……だったから……私が……自分で……生み出したから……
愛した……わけじゃない……「君」が……“君だったから”……
この世界で……たった一つの……かけがえのない……存在……
“マリアンヌ” ……だったから……
だから……君の為になら……何でも……して……あげたかった……
ソレが……例え……どんなに……罪深い……事で……あろう……とも……)
 脳裡に甦る、最愛の彼女。
 緩やかな陽光を背景に映る、
その、(くる)しい程に愛しき姿。
(……後悔は……ない…… 『君の為に……出来る事』 ……
アノ方に……忠誠を……誓った事……
炎の灰燼……一枚(ひとひら)すらの……後悔も……私には……ない……

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