第一部 PHANTOM BLAZE
CHAPTER#END
戦慄の暗殺者FINAL 〜LAST IMPRESSION〜
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し、学園内ほぼ全域に放ってきた総数延べ500体を超える武装燐子の
大軍を相手にしながら、人の身にも関わらず五体満足だという事態が
信じられない話だった。
「ツレが、随分世話ンなったみてぇだな……」
承太郎はそこで初めて、今の自分以上にズタボロな姿のシャナを、
今やその喜びの表情を隠そうともしない少女を鋭い視線で見つめた。
「……」
その姿。
白い封絶の放つ月光に酷似した煌めきに照らされた、幻想的なる風貌。
虚無で充たされた自分の心にも、まるで闇夜の太陽の如く鮮烈に映る。
全身傷だらけで血に塗れていても。
否、“だからこそ” 何よりも気高く誇り高く映る。
その男の姿、 『星の白金』 の 「真名」 に微塵も悖る事はないその存在に、
フリアグネは戦闘継続中という事も忘れて魅入った。
まるで、初めてアノ方に邂逅した時、そのままに。
(……美)
想わず、心の中でそう呟きかけたフリアグネに向けて、
『オッッッッッラァァァァァァァァァァァ―――――――――――ッッッッ!!!!』
突如、その男の背後で上がった咆吼。
ソレと同時に、自分の脇腹にその男の腕から延びた
「もうひとつの腕」 が、極限まで鍛え絞られた剛腕の鉄拳が
微塵の容赦もなく叩き込まれていた。
「がはぁぁぁッッッ!!!」
腹の底から、臓腑の奥の方から、多量の呼気が一気に吐き出され
そして何かが軋んで圧し折れる音が耳元に届く。
「今のは……テメーがその身勝手な 「目的」 の為に生命を奪った、
数多くの 「人間」 達の分だ。
今のは、ソイツらがテメーのアバラをブチ砕いたと想え……」
「!!」
そう言ったその男の、 『星の白金』 の内部から、
同等かソレ以上の存在感と威圧感を併せ持った巨大な人型のナニカが
空間を歪曲するかのような異質な音と共にズルリと抜け出す。
ソレは、その全身に神聖な白金の燐光を纏い
自らの創り出した封絶よりも強くフリアグネを照らしていた。
「そして!! コレも!! ソイツらの分だッッ!!」
ドッッッッッグォォォォォ――――――――――ッッッッ!!!!
「がぁぐぅッッ!!」
今度はフリアグネの顔面左頬に、
スタープラチナの鉄鋲が穿たれたブラスナックルの拳が捻り込まれた。
歪む美貌と滲む視界。
継いで牽き搾るような強い衝撃で背後に弾き飛ばされたフリアグネは、
突風に飛ばされた紙屑のように瓦礫の上を無造作に転がる。
そして、そのフリアグネの頭上から到来する、余りにも巨大で強烈な存在の声。
まるで、一人の強大な紅世の “王” が、
特殊な 『能力』 でこの世に 【顕現】 でもしたかのように。
「いいか……? 覚えておけ……その 「次」 もソイツ
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