第一部 PHANTOM BLAZE
CHAPTER#END
戦慄の暗殺者FINAL 〜LAST IMPRESSION〜
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のアンダーシャツから覗く、
亀裂骨折の影響で赤黒く腫れあがった生身の素肌。
本来の戦闘能力を鑑みれば、
自分と同等以上の力を携える彼ならば、
幾ら大軍とはいえ “燐子” 程度の相手に
ここまでの重傷を負うとは考えられない。
でもソレは、“あくまで戦うコトだけに専念すれば” の話。
一体何故彼がここまでの傷を負っているのか?
その「理由」は既に明確だ。
そして、互いの疵痕を見つめ合ったまま同時に湧き上がる互いの声。
(シャナ……おまえ……)
(承太郎……おまえ……)
交叉する、二人の想い。
(ズタボロ……じゃあ、ねぇか……!)
(ズタボロ……じゃ、ないの……ッ!)
交錯する、二つの感情。
(バカヤロウ……! 他の奴の為に……こんなにズタボロになりやがって……!)
(バカバカバカ……! 私の為に……そんなにボロボロになって……!)
ブッきらぼうな言葉でそう毒づき合いながらも、
承太郎は、腕の中の少女の事を考える。
少女の、シャナの、 「戦う」 事、
その、 真の 「意味」 を。
人間は、自分も含めて、
須 く何かを 「破壊」 して生きていると言っても良い存在だ。
そんな哀しい人間の宿業の中で、
その身を 「犠牲」 にして血に塗れ、
心も躰も傷だらけになりながらも、
それでも懸命に誰かを 「救済」 し続けている腕の中の少女、
「シャナ」 の存在は、きっと、この世界のどんなものよりも優しい。
だが、傷つき戦い続ける少女の心の疵は、
例えどんな 「能力」 を以てしても決して癒す事は出来ない。
そして、終わりの見えない戦いの日々の中、
ゆっくりと溶けない根雪のように降り積もっていく
少女の冷たい魂の 「孤独」 は、
例えどんな 『スタンド』 だろうと絶対に埋める事は出来ない。
そう考える無頼の貴公子の心に、
音もなく去来する想い。
静かに形を成す、もう一つの 「決意」
(……やかましくて。
何か知らねーが紅い眼と髪で。
バカデケェ刀をブン廻す。
可愛げのねぇ小娘だと想ってたンだがな……)
でも、もういい。
もう、たった一人で、頑張り続けなくても良い。
辛いときは、辛いと言って良い。
泣きたい時は、思い切り泣けば良い。
これからは、オレが傍にいるから。
お前が嫌じゃないなら、いてやるから。
例え、この世界中がお前の 「敵」 に廻ったとしても、
懸命に誰かを護り続けるお前を、誰も護ってくれないというのなら。
せめて、このオレが。
空条 承太郎が。
この世のどんな残酷な事からも、必ずおまえを護ってやる。
(……)
少女は、温もりを感じ
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