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魔王に直々に滅ぼされた彼女はゾンビ化して世界を救うそうです
第12話『奇妙な平等者』
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し始める。

「『星喰い(アルエガ)』――って言葉に聞き覚えはあるかい?」

「『星喰い(アルエガ)』?」

「ここ最近、この辺り……ってのはちょいと違うが、ここから馬車で少し行った所の『アルス』って街付近に出没するようになった化け物の事さ。ちょくちょく襲撃を掛けてきて、そこに駐屯してるそこそこの数の『対魔傭兵(リ・メイカー)』が結束してやっと撃退してるって話だ。性別不明、年齢不明。分かるのはヒョロい人型の癖して、冗談みたいな長さの大剣を持った化け物だって事と……本人が『アル・エガ(星喰い)』と名乗った。それだけさ」

「……被害は出てるの?」

「ああ、勿論。既にアルス付近に存在する多数の村がソイツ単体の襲撃によって皆殺しにされた」



 ソレは、クーラルが諸事情でアルスに滞在していた際、目撃者である街の住人に聞いた話だという。

 ──初めに『星喰い(アルエガ)』を名乗るその化け物が現れたのは……いや、確認(・・)されたのは、アルスの正門前にその化け物が堂々と佇んでいたからだった。

 当然、門番達はその異質さに目を剥いた。すぐさま応援を呼び、その巨大な大剣を担ぐ男とも女とも分からない存在に対して警戒の意思を向ける。各々が剣を抜き放ち、現場に駆けつけた『対魔傭兵(リ・メイカー)』達も、その『遺産』を以って……仮に『彼』としておこうか。遺産の力を以って、『彼』を滅ぼそうとした。
 そんな時、『彼』はその肩に担ぐ巨大な大剣を大地に降ろして、大地の揺れと共に巨大な亀裂を作り出した。そのドス黒いバイザーの下に見える口をニィィっと歪ませる。
 そうして、『彼』は言うのだ。


 W――なァ 星の内臓ってさァ どんな味がするんだろうなァ?−−W


 何を、と。
 街に勤める兵士達は言った。街を守護する『対魔傭兵(かれら)』が言った。
 それは滑稽な子供の戯れ言のようで、何らかの小説に影響されてしまったかのような、酷く馬鹿げた問いかけ。
 けれど、そんな疑問を払拭する程度には、その"殺気"と形容出来るのであろうソレは本物だった。

 ガチガチと、鋼の噛み合う音が鳴る。
 ガチガチと、鎖が引き合う音がする。
 ガチガチと、刃が抉る音がする。

 鈍色の輝きを放ち、陽光を吸い込んでしまうほどの言い知れぬマナを宿したその大剣は――否、大剣と形容するのさえおこがましいような、人の背の50倍はありそうな"ソレ"は。

 ただ一方的に。
 ただ暴力的に。
 ただ惨劇的に。
 ただ悲劇的に。
 ただ絶望的に。

 潰し。
 引裂き。
 抉り。
 壊し。
 捻り。

 アルスの正門ごと、その街の一角をごっそりと『消滅』させた。


 ──跡地である大地には、未だ
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