暁 〜小説投稿サイト〜
一人のカタナ使い
SAO編?―アインクラッド―
第二章―リンクス―
第19話 暗夜に潜む者
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。あんたが何で狙われているか、とかあたしが騙されていた、とかはこの際どうでもいいわ」
 彼女は僕の方を見て再び口を開く。
「あんた――ユウだっけ? あんたは、ソラとフレンド登録してないの?」
「な、なってます…………あ、そうか!」
 フレンドになっているのなら、どこにいるのかがわかるのだ。ダンジョンなどにいる場合は、そのダンジョンのどのフロアにいるのかはサーチ不可能だが、フィールドにいる場合はどこにいるのかが詳しくわかる。
 さっそくウインドウを操作して、フレンドリストからソラを選択。すると、この層の北東部でアイコンが点滅していた。
 少なくともまだ無事にこの世界にいることに、脱力するほどの安心感が生まれる。
 だが、まだ安心するにははやい。ソラが人の言うことに反抗したり、無視したりすることはまずないはずだから、やはり推理通り、誰かが連れているのだろう。
 また、この村は《圏内》として認定されているため、犯罪プレイヤー――俗に言われているオレンジプレイヤーは、入ることができない。つまり、相手はグリーンカラーであることがわかる。
「――見つけた……!」
 思わず大きくなった自分の声に少しだけ驚く。二人の顔にも反応が表れる。
 自分の顔も少し険しくなるのを感じつつ、ウインドウに示されている場所の方角を振り向く。
「行こう!」
 そう言うと、二人の同意の言葉も聞かずに地面を蹴った。

   *

 女性プレイヤー――もとい、アバターネーム《ニナ》は、このデスゲームに囚われてしまった自分の弟を見つけるために、この半年間を費やしてきたと言っても過言ではない。
 第一層から地道にいろんな町や村に行き、他のプレイヤーに聞き込みをしながら、同時に上の層に進むためのレベリングもこなした。その同時進行のためには、睡眠の時間を最低限まで削り、この世界の貨幣であるコルを生活できる最低限まで節約した。
 睡眠時間はともかく、なぜコルまでも使うことを躊躇ったのかと言えば、情報をもらうために対価として必要な場合が発生していたからだ。
 情報屋はともかく、一般のプレイヤーに聞くためにも必要なことがあった。
 例え、まったくニナの知りたい情報を持っていなかったとしても、貨幣欲しさにデタラメな情報を教え、ニナから実質的には無償でコルを受け取る――ある意味泥棒のようなことをするプレイヤーも少なからず存在したのだ。
 だが、ニナは何ひとつ疑うこともなく、コルを渡し、その情報を頼りに探した。その情報がもともと嘘である、または本当だったが古い情報である場合が多くても、挫けず弟を探し続けた。
 そのおかげがあってか、半年後には彼女の情報網はかなり広くなっていた。ちょっとした情報屋になら引けを取らないレベルである。
 この半年間で、ニナは嘘情報を流すプレイヤ
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