暁 〜小説投稿サイト〜
一人のカタナ使い
SAO編?―アインクラッド―
第二章―リンクス―
第19話 暗夜に潜む者
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。そして、縄をすばやく解きはじめる。
 僕のその行動に、キリトも女性プレイヤーも目を見開く。
「あの、これから走るので、縛ってると邪魔だと思うから解きますね。逃げようとしてもいいですけど――僕にスピードで勝てると思わないでくださいね」
「……わかったわよ」
 まだ名前を知らないプレイヤーは、手首をさすりながら、僕の少し脅しがかった言葉に静かに頷く。
 さっきの戦闘で、もう彼女のパロメータはわかっている。どっちもバランスよく上げているが、どう考えても筋力寄りだ。
 となると、断然スピードは敏捷力寄りに振っている僕の方が速い。逃走しようとしても、まず僕の足には敵わないだろう。転移結晶を使う暇すら与えない。
 彼女の武器を振る速度もすごかったが、それはどれだけ脳の伝達速度が速いかという個人の問題なので、敏捷力はまったく関係がない。
「じゃっ、走りますよ――」
 僕はそう言い終えるや、木製の地面をかけていた。

 走ったこともあったが、ものの数分で到着した。
 女性プレイヤーも逃げるようなことは一度もせず、素直についてきてくれたおかげもあるだろう。まあ、本当に姉だった場合、弟との合流を避けるようなことはないだろうけど。
 村に到着して、村の外でキリトに女性プレイヤーを見張ってもらってから、僕一人で村中を探し回る(一番この世界で長く一緒にいる僕が見つけやすいという判断だ)。
 走りながら簡単にまとめたメッセージを送ったのだが、到着するまでの間に返信されていない。ますます嫌な予感が濃密な香りを漂わせた。
 村中をくまなく探し、いないことを確認してから、キリトたちに合流する。
「……どうしよう。見つからないし、繋がらないんだけど……」
「これは……本格的にまずいな……」
 僕とキリトが二人にして頭を抱えていると、女性プレイヤーは苛立ちげな表情で口を開いた。
「あたしの弟はどこなのよ。はやくして、あたし半年以上探して、ようやくなんだから……!」
「す、すみません!」
 さすがにこの事態に焦らずにはいられない。救援を呼ぼうにも、この村はこの層の主街区から結構距離がある。時間がかかるし、そんなに待っていられない。
「……一度情報を整理しよう。冷静に考えればわかるはずだ」
「そうだね」
 まず、とキリトが人差し指を立てる。僕も彼女もキリトに注目した。
「このプレイヤーから聞いた情報によると、情報を与えたプレイヤーは、ユウと思われるプレイヤーがどこで何をしているかを知っていたことになる。ユウ、マナー違反だが、索敵スキルは取ってるか?」
「うん、序盤で取ったから熟練度もかなり高い方だと思うよ」
「ということはつまり、そのプレイヤーはユウの索敵にも気づけないほどの熟練度がある《隠蔽》スキルを取得していることになる」
 キリトの発言
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