暁 〜小説投稿サイト〜
一人のカタナ使い
SAO編?―アインクラッド―
第二章―リンクス―
第19話 暗夜に潜む者
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このプレイヤーと闘っているうちに、ずいぶんと奥まで来てしまっている。走るならまだしも、歩いて戻るなら少し時間がかかるかもしれない。
「そういえばさ、キリトはソラと会ったんだよね?」
「ああ、会ったぞ。俺よりも小さくて短剣使いだろ?」
「そうそう」
「すごくユウのこと心配してたぞ」
「……そうなんだ。はやく謝らないと。今度ご飯でも連れていくよ」
 まだ小さい子どもにとっては、かなりショッキングな現場だっただろう。心に傷を負わせたかも、と思うと罪悪感で押し潰れそうだ。
「ご飯か……そういや、ユウはどんなところでいつも食べてるんだ?」
「うーん、いつもは迷宮区とかに引きこもってるからね〜。携帯食品で済ましてるよ」
「体に悪いな、しっかり食えよ」
「いやいや、ここゲームだから例え草食べたって腹壊さないよ。……試さないけど。まあ、普通にご飯食べたい日は友達に教えてもらったり、連れてってもらったりしたところに行ったりするかな」
「へー、そうなのか」
「うん、この前もアルゴとかカイに連れてってもらったよ」
「アルゴか……あいつ本当何でも知ってるよな……」
 何気にここ数日で、二つもの場所を教えてもらっている。今気づいたが、かなりラッキーだ。
「キリトは?」
「俺か? 俺は買い食いが多いかな。楽だし、結構うまいもん見つけたしな」
「え、ちょっと教えてよ」
「いいぜ。じゃあ、俺にもどっか店を教えてくれ」
「りょーかい」
 つい数十分前には緊迫した空気だったというのに、その反動のように和やかだ。
 このままでいいのか、と思わなくもないが、僕も心身ともに疲れているし、会話だけでも気楽な気持ちでいたい。……右手に殺人未遂のプレイヤーの両手首を掴んでるけど。
 数分すると木々の中から抜け出すことに成功。ようやく道らしき道に顔を出せた。あとは、歩いてソラのいるところまでこの道に沿って行くだけだ。
「そういえばキリト。ソラにどこにいるように言ったの?」
「ここから一番近くにある村だ。多分そこにいると思うぞ」
「そっか……なら行こうか」
 一応この第二十二層に来たことがあるし、全体図も頭の中に入っている。だから、キリトの言っている《小さな村》というのも大方見当がついていた。
 しかし、どうもさっきから嫌な予感がする。気のせいだといいんだけど、悪い予感っていうのはどうも当たる気がしてならない。
「……少し急いだ方がいいかも」
 そんな僕の発言を聞いて、キリトが俺の方を見る。
 だけど、本当に嫌な予感がする。早くソラの顔を確認しないと気が済まない。
「自分勝手なのはわかってるけど、少し走ろうよ」
「……わかった。はやく誤解解きたいしな」
「まあ、それもあるんだけど……ね……」
 僕は右手に掴んでいる女性プレイヤーの両手首を放す
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