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SAO−銀ノ月−
第二十七話
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ットは充分溶け合って焼けているようだったので、再びヤットコを使って取りだし、金床の上に固定した。

「ふーっ……」

 ……やっぱりあたし、柄にもなく緊張してる。
ドクドクという緊張の音があたしを揺さぶりにかかっ――

「ひゃっ!」

 その時、あたしのハンマーを持つ両手に、他の人の手が触れる。
ここには当然、あたしの他にはあと一人しかおらず、そしてこの手の温もりは間違えようもなく……ショウキだ。

「あ、あんた、何を……」

「なに……俺も鍛冶スキル上げてるからな。二人して叩けば、システム上有り得ない1600とかの鍛冶スキルで叩けるんじゃないか?」

 何言ってるの、とショウキに言い返そうとした時、あたしは……今まであたしを襲っていた緊張が、消え失せていたことに気づいた。
代わりにあるのは、手から感じる温もりと、緊張の時とは違う心地よい鼓動――

「合わせてよ、ショウキ」

「任せろよ、約束だ」

 お互いにニヤリと笑い合い、ハンマーを大きく振り上げて、赤く輝くインゴットの集合体に打ちつける。

 そして店内に響くカーン! という小気味よい音と、あたしの身体に響くドクンという心地よい鼓動。
……なんだかロマンチックな話だけれど、あたしたちがハンマーを打ちつけるリズムと、あたしの鼓動は、連動していた。

 カーン、ドクン、カーン、ドクンとあたしたちはリズミカルにハンマーを打っているけれど、あたしの心はまた別のことに支配されていた。

 この依頼が完了して、ショウキの新しいカタナが出来たとしたら……彼との関係は終わってしまうのだろうか。
いや、知り合いということでカタナのメンテナンスぐらいには来てくれるかも知れないけれど、彼は仕事上、いくつかの層を渡りながら暮らしているらしい。
だから遠くの層にいたら……会えない。

 そんなのは……そんなのはイヤだ。
わがままだっていうのは分かってるし、彼のことをそんな風に縛り付ける権利なんてあたしには無い。
彼は……ショウキは、もっと多くの人を助けに行くのだろう。

 だけど、あたしの気持ちだけは知っていて欲しい。
このカタナがショウキの納得のいくカタナなら、あたしは彼に、ショウキに、この気持ちを告白しよう。

 ――無の境地にはほど遠いけれど、ショウキと一緒にいることで生じるあたしの鼓動は、正確にリズムを告げてくれた。
あたしの思いが確固になっていくと共に、インゴットも確固たる形を形成していく。

 そして、インゴットが光り輝き始める。
インゴットが一際大きい光を放つと、長方形であるインゴットから鍔らしき物体が現出しだす。

「おお……!」

 ハンマーを下ろしたショウキが、あたしの横で歓声を上げた。
元々の日本刀《銀ノ月
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