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STARDUST唐eLAMEHAZE
第一部 PHANTOM BLAZE
CHAPTER#24
戦慄の暗殺者] 〜Final Prayer〜
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は実体を成して彼に襲いかかる。
 突如、その深紅の光塵が人のカタチを成して鋭く大上段に、
まるで高々と振り上げられた死神の鎌のように
生命を断ち斬ろうとフリアグネの首筋に紅蓮の閃光が疾走(はし)った。
「くぅぅぅッッ!!?」
 フリアグネは永い経験で研ぎ澄まされた反射神経で、
何とかかろうじてその超速の斬撃をウィンザレオの剣で受け止める。
 しかしその刹那。
「ッッ!!?」
 受け止めた筈の斬撃が、まるで蜃気楼のように高速で左右にブレ
炎刃の幻影が突如実体を以てフリアグネの右腕を鉤爪状に切り裂いて
白い炎の飛沫を鮮血のように空間へ撒き散らす。
「な……!? に……ッ!?」
 驚愕と苦悶を同時に浮かべるフリアグネ。
 しかしその苦痛を解する間もなく再び眼前から迫る、
紅い人型の陽炎と共に真正面から繰り出される超速の刺突。
「!!」
 今度は剣で払わず何とか体捌きのみでその尖撃をかわすフリアグネ。
 だが軌道を逸れた本刃とは別に、眼前から迫る無数の閃光。
 その閃光の端末部を全て、長い髪を携えた紅い人型のナニカが両手で握っていた。
 そしてその赤光がフリアグネの右腕、左肩、左右脇腹、そして右足を鋭く穿(うが)ち、
血の代わりに飛び散る白い存在の炎が空間に散昇する。
「グアアアアアアアアアァァァァァァァァ――――――――――ッッッッ!!!!」
 苦悶の表情と共に貫衝で背後に弾き飛ばされたフリアグネは、
瓦礫の水面に引き擦られ朽ち木のように転がる。
 だが彼はすぐに苛む苦痛を押し殺して、震えながらも立ち上がろうとする。
 護らなければならない存在が、地に伏し続ける事を赦さない。
 そこに頭上から。 
 さらに左右背後足下からすらも。
 凛々しい少女の声色が、まるで実体を持った木霊(エコー)のように
森厳な響きを以て到来する。
 静かに。
 静かに。
『私のこの動きに幻惑されず……斬撃を受け止めた事は……誉めてあげるわ……
大した反射神経ね……でも……私が今創りだした……
この “魔幻鏡” の裡では……返って逆効果よ……
幻光の斬撃を……防ぐ事が……出来たとしても……
反射して……無数に……弾き返る……光の飛沫(しぶき)からは……
決して……逃れられない……どんな……紅世の徒だろうと……
例え…… “王” であろうと……絶対にね……』
 ありとあらゆる角度から聴こえるエコーの残響に、
フリアグネは自分が発狂したのではないのかと当惑する。
『さあ……立ち上がるまで……待っててあげるわ……
ここからは……公平(フェア)に……いきましょう……
善悪(カタチ)は……どうあれ……
おまえの……その…… 『精神』 には……
「敬意」 を……表するわ……だから……尊敬の念を……込
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