暁 〜小説投稿サイト〜
STARDUST唐eLAMEHAZE
第一部 PHANTOM BLAZE
CHAPTER#24
戦慄の暗殺者] 〜Final Prayer〜
[5/19]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
の呼気を吐き出したフリアグネの
細身の躰が “くの字” に折れ曲がる。
「やっぱり頭が悪いわねッ! おまえ!
戦場じゃ 「足」 も使うっていったでしょッ!
同じ事を二度言わせないでッ!」
 そう叫んで素早く蹴り足を引き戻したシャナは、
そのまま下げた刀身を本刃に返さず右手を柄頭に当てる。
「そしてッ! 刀身だけじゃなく 「柄」 もねッ!」
 そう先鋭に叫んで足下の瓦礫を爆散させ、強烈に踏み切る。
「だァァァァァッッ!!」
 高速の束 頭(つかがしら)による穿突(せんとつ)がフリアグネの躰
「水月」 の位置に叩きつけられ捻じ込まれた。
「グハァァァァァ―――――――――ッッ!!?」
 今まで仕掛けられた事の無い 「技」 を
体勢が崩れた状態で唐突に繰り出されたので、
対応が遅れたフリアグネはそのシャナの打撃術をモロに喰う事となる。
 まるで鳩尾周囲の皮膚と肉がバラバラに削げ落ちて、
ズタズタになった神経が剥き出しにでもなったかのような
途轍もない苦痛と嘔吐感がフリアグネの全身を劈いた。
 その衝撃で空間に弾き飛ばされながら、
フリアグネは新たなる 「事実」 に気づきつつあった。
(私はッ! もしかすると途轍もない大きな勘違いをしていたのかもしれない!!
ただ戦闘能力が強いだけのフレイムヘイズなら今まで何人も討滅してきた!
しかしこの少女の “真に恐るべき処はッ!”
戦闘力でも頭脳力でも手にした大刀の殺傷力でもないッッ!!)
 その脳裡を直撃する、揺るぎのない確信。
(アノ “天壌の劫火” アラストールの! 
途轍もない存在をその「器」に呑み尽くしても微塵も揺らがない!
その想像を絶する 『潜 在 能 力(ポテンシャル)』 だッッ!!)
 その火の粉を撒く少女の裡に。
 そして存在の背後に。
 フリアグネは、感じ取った。
 巨大な、漆黒の塊を深奥に秘め、灼熱の衣をその身に纏い、
同じく巨大な紅蓮の大翼を背に押し拡げた深遠なる紅世の王
“天壌の劫火” アラストール其の御姿を。
(ソレがいまッ! 黒衣の加護を捨て去った 『覚悟』 を起爆剤として
正と負あらゆる要素が内部で 「爆裂」 している!!
ソレがいまのこの強さの源泉ッ!
肉体のダメージや疲労など今や “どうでも良い” 状態なのか!!)
 崩れた体勢でフリアグネはなんとか瓦礫の海に着地。
 苦痛に身を苛まれながらもその老獪な知能を総動員して
次に打つべき手段を数種、刹那の間に構築、取捨(しゅしゃ)選択する。
 そして彼が取った “手” は回復の時間を図る為に 「挑発」 として
剣を自分の前へ防波堤のように突き立てるという行為。
“やってみろ! 討滅の道具! この私が赦せないのだろう!?
だったらこの私の 「誇り」
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ