第一部 PHANTOM BLAZE
CHAPTER#24
戦慄の暗殺者] 〜Final Prayer〜
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紅世の “狩人” の、咆吼。
最愛の存在を永遠に喪失った、絶望の嘆き。
「ッッ!!」
その絶叫でシャナは目を覚ました。
その瞳は意識を失って精神の持続力が途切れた影響か、元の灼眼に戻っている。
「マリアンヌ…… マリアンヌ……ッ! マリアンヌ……ッッ!!
私の…… 私の…… ! マリ……アンヌ……ッ!」
その美貌を涙で全面濡らしながら、
フリアグネは物言わぬマリアンヌを全身で掻き抱いた。
もうどこにもいかないように。
もう勝手にいなくならないように。
自分の、一番傍に置いておく。
いつまでも。
いつまでも。
「大丈……夫……何も……心配は……いらない……この私が必ず……!
君を……「復活」……! させて……みせる……ッ!
万が一自在法が無理でも……! アノ方の……死者をも……甦らせるという……ッ!
『幽血』 の……御力を……お借りすれば……!
だから……だから……! 何も……何も……心配しなくていい……ッ!
何も……心配する事は……ないんだよ……私の……私の……!
マリ……アンヌ……ッ!」
涙で濡れた掠れる声で、フリアグネはマリアンヌを純白のスーツの内側に
そっとしまい込む。
そし、て。
一瞬の、沈黙の後。
「―――――――――――――――ッッッッ!!!!」
憎悪で剥き出しにしたその口元をきつく食いしばり、
コレ以上ないと言う位のドス黒い暗黒の光で充たされたパールグレーの双眸で
シャナを睨む。
その眼光だけで、少女を憑り殺そうとでもするかのように。
そして、ゆらりと立ち上がると、
その身に纏った宝具 “ホワイトブレス” の中から
クラシックなデザインのリヴォルバーを取り出し、
慣れた手つきでシリンダー部を開錠、
鋭く回転させて銃身に戻す。
そしてコツコツと瓦礫を踏みならしながら、
狂暴な存在のプレッシャーを全身から放ちながら、
シャナの方へと歩み寄る。
「私には……この世に……生まれ落ちた時の 「記憶」 がない……ッ!」
流れ落ちる幾筋もの透明な雫で、
その磨き込まれた水晶のような肌を全面濡らしながら
憎しみで彩られたこの世の何よりも禍々しいパールグレーの瞳で
フリアグネは拳銃を右手に携え、黒い放電を撒き散らしながらシャナへと近づいていく。
「気がついたら紅世の存在の坩堝の中に在りッ!
そしてその無限の存在の坩堝の中を彷徨っていた!!」
そう叫んでシャナの目の前で立ち止まり、震える憎悪と哀切の輪郭で少女を見下ろす。
「その……無限の存在の虚無の中を……幾星霜も彷徨ってきた私の……!
たったひとつの拠り所が……ッ! 私の生きた 『証』 こそが……!!
私の “マリアンヌ” だったのだからッッ!!」
そして言
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