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STARDUST唐eLAMEHAZE
第一部 PHANTOM BLAZE
CHAPTER#24
戦慄の暗殺者] 〜Final Prayer〜
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イズ “炎髪灼眼” の生み出す 『魔幻鏡』
「――――ッ!」
 フリアグネは、咄嗟に 「彼女」 に向けて、もう届かない手を伸ばす。
 他の事は、自分の身体の傷は無論、
今一番意識を向けるべきフレイムヘイズの事すらも意識からは消え去り、
ただただマリアンヌの存在だけがその心中を支配する。
 しかし、時の流れは余りにももどかしく、
まるで停止した時間の中にでもいるようだった。
 その彼の手に、マリアンヌの背から靡いた白の燐光が、微かに触れる。
 そんな極度に減速して引き延ばされた時間の中で。
「世界」 の中で。
 フリアグネの、真実の想いだけが、空間を駆け巡る。
(私は……君がいれば……君さえいれば……それで……それで幸せなんだ……
宝具なんていらない……アノ御方に見捨てられたとしても構わない……
君とずっと一緒にいられれば……他にはもう何にもいらないから……!)




 そして、時は、動き出す。




(だから! だからッ! マリアンヌッッ!!)
 周囲の時の流れが通常に戻ると同時に、
フリアグネの絶叫が屋上全域に響き渡った。
「“そこに” 行ってはダメなんだァァァァァァァァァァァァッッッッ!!!!」
 そこで。
 初めてマリアンヌは、フリアグネに向かって振り返った。
 そして、その心の裡で、何よりも優しい声で語りかける。
 聖女のように。
 天使のように。
(大丈夫……ご主人様……貴方の御力なら……私を……いいえ……
“マリアンヌ” を……一から 「修復」 する事も可能でしょう……
大丈夫……大丈夫だから……だから……泣かないで……) 
「―――――――――――――ッッッッ!!!!」 
 そのマリアンヌの、『覚悟』 の意志を感じ取ったフリアグネは
声にならない声で叫ぶ。
 でも、彼女の傍に駆け寄ることは出来なかった。
 全身を切り刻まれた先刻のダメージ。
 意志に叛して身体は動かない。 
 加えて今、彼女の傍にいけば、
自分も “ダンスパーティー” の誘爆に巻き込まれる。
 マリアンヌの一番哀しむ事を、自分が行う事になる。
 最愛の者の “死” を目の前に、何もせずにただ 「傍観」 するだけという、
最も卑劣で残酷な 「選択」 をフリアグネは取った。
“取らざるを得なかった”
 彼女の為に。
 マリアンヌの為に。



 人の世の 『運命』 には、 
“自らの意志で正しい道を選択する余地など無い”
『ぬきさしならない状況』 というモノも存在する。



 無情なる、因果の交叉路の只中にて。
 交錯する、二人の言葉。
 最後の、邂逅。
「必ずッ!  必ず君を甦らせてみせる!! マリアンヌ!!
君の存在の原核(コア)はッ! まだこの
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