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STARDUST唐eLAMEHAZE
第一部 PHANTOM BLAZE
CHAPTER#23
戦慄の暗殺者\ 〜Metamorphoze〜
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子王ウィンザレオ” をこちらに突きつける。
「クッ!」
 心底口惜しそうに、少女は口中を軋らせる。
(アイツ……さっきまでと雰囲気が違う……!
明らかに気配が、違うッ! 『存在』 が変貌(かわ)った……!)
 優勢だった先刻までの 「流れ」 が、
これで再び一気にゼロまで、否、それよりも遙か前に巻き戻された。
 焦れるシャナの胸元で炎の魔神が対照的に感慨を漏らす。
「うむ。真に恐るべきは 『幽血の統世王』
彼の者、その常軌を逸した 「器」 か。
此処より遙か彼方より、自らは指一本すら動かす事なく
“存在のみで” 彼奴の 「器」 に力を注ぎ込むとは」
「じゃあ、やっぱり」
 一番良くない事態が到来しようとしていた。
 目の前にいる紅世の王も今、
“自分以外の存在によって自らの存在の力を増大させている!”
 本人の意志とは、意識とは無関係の領域で。
「うむ。それにしても、げに恐ろしきモノよ。
盟友(とも)と大奥方より伝え聞いてはいたが、
他者を介して生み出される 『精神』 の存在の力というモノは。
先刻のお前、そして昨日の彼奴(あやつ)の変貌振りにも驚かされたが、
今の彼奴(きやつ)はソレ以上かもしれぬ。
否、それは最早 「数値」 等という 「領域」 に
属するモノではないのかもしれぬ、な……」
「そう……だね……確かに」
 そう呟いて押し黙るシャナ。
 紅世の徒を、それも “王” を、
ただ力で支配するだけではなくここまで 「魅了」 してしまう
超人性(カリスマ)』 
 身体だけではなくその精神(こころ)までも、
“人間を止めた者” だけが初めて持つコトを赦される
無限の能力(チカラ)
 やっぱり、凄い。
 自分が想ってるより何十倍も何百倍も、
本当にアノ男は凄い。
 その完全なる僕と化した紅世の王が、
暗黒を宿した双眸で傲然と少女を見下ろす。
「終わりだ、フレイムヘイズ。最早貴様に勝ち目はない。
何故ならば私は、 今、“アノ方の存在と共に” 戦っているのだからッ!」
 何よりも強く己を誇り、フリアグネは悪意の放つ雷の流散で彩られた宝具、
“ホワイトブレス” を鮮麗に翻す。
「そしてソレだけではないッ!
この胸元のマリアンヌと友の名誉の為にも私は戦っているッ!
紅世の徒の討滅のみを目的としている貴様等フレイムヘイズとは、
戦う 「動機」 の 「格」 が違うのだ!!」
「ご主人様ァァァッッ!!」
 その威風堂々たる姿に胸元のマリアンヌが歓喜の叫びをあげる。
「……ッ!」
 自分もその事実を実感しているだけに、
有無を言わさぬ説得力にシャナは口籠もりそうになる。
 でも、それでも!
 自然と心の淵から湧き昇って来る気持ちが、
決然と裡に宿る炎を
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