暁 〜小説投稿サイト〜
STARDUST唐eLAMEHAZE
第一部 PHANTOM BLAZE
CHAPTER#23
戦慄の暗殺者\ 〜Metamorphoze〜
[6/11]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話

 突如、シャナの眼下から己の刀身を押し込みながら疾駆する黒い斬閃。
 細身の、しかも片腕だけから刳り出されたとは想えない
得体の知れない力の籠もった右薙ぎ払いの一閃。
 反射的に刀の腹を顎の下で構えていなければ、
そして手にした剣が戦慄の大太刀 “贄殿遮那” でなければ、
間違いなく今の一撃で首を刎ね飛ばされていた。
 そしてフリアグネの渾心の力で以て空間へと刳り出された
黒い放電を伴う斬光閃は、贄殿遮那、その刀身ごとシャナを空中へと
強烈な力を以て弾き飛ばす。
「きゃうッッッ!!!」
 膠着状態、寧ろ自分の方が優勢だった鍔迫り合いの予期せぬ終結に、
シャナは半思考停止状態のまま空中へと飛ばされ
バランスを崩して荒れたコンクリートの上に華奢な身を叩きつけられる。
「あうぅぅッッ!!」
 落下衝撃で大きくバウンドした躰を何とか中空で反転させ体勢を立て直し、
靴裏を瓦礫に滑らせながら強引に停止させ
激突で新たに開いた側頭部の裂傷に左手を押し当てながら
ブレる視界を無理に繋ぎ直す。
「うぅ……今、のは……?」
 シャナは流れてきた血を目に入らないよう黒衣で拭いながら
痛みを堪えて状況の分析にかかる。
 先刻、強烈な斬撃閃に弾き飛ばされる瞬間、
自分は確かに感じた、フリアグネの背後に確かに視た。
 かつて自分を絶対絶命の窮地に陥れ、
フレイムヘイズの誇りも尊厳も全て跡形もなく蹂躙し尽くした、
この世界史上最大最強の存在。
 艶めかしい首筋に刻まれた星形の痣、 
その魔性の美が彩る絢爛たる永遠の器を裡に称えた
“邪悪の化身” 『幽血の統世王』 の姿、を。
 そし、て。
 その強大なる存在の邪気(オーラ)をまるでアイツの操る
幽波紋(スタンド)』 のように背後へ携えた、
長衣を翻す 「覚醒」 した紅世の王。
 今はその壮麗なる瞳の裡に常闇の暗黒の光を宿す “狩人” フリアグネ。
 否、悪夢と絶望を司る統世王の完全なる(しもべ)
幽靈(ゆうりょう)と劫炎の簒奪者】
(こ……の……この気配は……! まさか……ッ! まさか……!?)
 かつて一度だけ対峙したアノ時の光景が、シャナの脳裡にフラッシュバックする。
「む……ぅぅ……」
 胸元のアラストールまでもが眼前のフリアグネ、
その余りの変貌振りに驚きを隠せないようだった。
 沈黙する二人の前で、暗黒の炎をパールグレーの瞳に
宿らせたフリアグネが静かに口を開く。
「自分だけが、 「何か」 を背負って戦っていると想い上がるな……
私のアノ御方に対する 「忠誠」 と 「覚悟」 の強さは
貴様如き小娘の到底及ぶ処ではない……ッ!」
 ゾッとするような絶対零度の声音でそう告げ、
白蓮の炎と漆黒の放電とに包まれた氷刃
“獅
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ