第一部 PHANTOM BLAZE
CHAPTER#23
戦慄の暗殺者\ 〜Metamorphoze〜
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擦ってきた大太刀。
大地を 「支え」 にして肩と腕から連動して発生する力と下からの反動とを
存分に溜め込んだ刀身が、手首の 「返し」 で勢いよく跳ね上がり
テコの原理と摩擦力とでその殺傷力を増大させた真一文字の大薙ぎ払い。
瓦礫の上へ滑らすようにして軸足を踏み込み反転させ、
腰の捻転と大地を 「鞘走り」 の代わりに利用した抜刀炎撃斬刀術。
ソノ軌道が瓦礫の火線と交差して十字を描き、
フリアグネの胴体に向け強音速射出される。
疾風軋迅。断空の咬牙。
『贄殿遮那・火車ノ太刀/斬斗』
遣い手−空条 シャナ
破壊力−A〜C(地形状況により増減) スピード−A〜C(地形状況により増減)
射程距離−シャナ次第(通常10〜20メートル) 持続力−C
精密動作性−A〜C(地形状況により増減) 成長性−A〜C(地形状況により増減)
(き、た……ッッ!!)
フリアグネは咄嗟に長剣を瓦礫に突き立て、柄頭に両手を当てて固定し
片膝を地につけた堅牢な防御法でその一撃を受け止めた。
ギャギリィィィィィィィィィィィィィ――――――――――ッッッッッッ!!!!!!
凶暴な斬撃音とけたたましい火花を撒き散らして炎の双刃が激突し、
衝撃が剣の柄からフリアグネの肩口にまで貫通して伝わってくる。
しかし瓦礫の上に突き立てた長剣の支え、
シャナ同様大地の恩恵の影響で今度は弾き飛ばされずにすんだフリアグネ。
しかしシャナは次の斬撃技の予備動作には入らず、
先刻同様尚も強引に刃を押し込んでくる。
「――――――――――ァァァァァァァァァァアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」
湧き上がる灼熱の息吹とその強烈な威圧感が、
まるでフリアグネの 「誇り」 の 「象徴」 である剣ごとまとめて斬り飛ばさないと
気が済まないとでも言っているようだった。
「グッ……!! ゥゥゥゥゥウ……ッッ!!」
その火花捲き散らす狂熱の突進をフリアグネは片膝を地につけた体勢で
渾身の力を込め何とか大刀を押し止める。
このような不合理な戦い方、
精神的にも “完膚無きまでに相手を叩き潰す” といったような戦い方を執る者は、
一瞬の気の弛みが生死を分かつ事を宿命とする 「戦士」 の中にそうはいない。
ましてや紅世の徒の討滅のみを目的とする “フレイムヘイズ” なら尚更の事だった。
故に、その様々な不確定要素が悉くフリアグネの予測を裏切り、
結果常に戦いの主導権を握られる事になる。
しかしフリアグネは胸元の最愛なる者の為、歯を食いしばって
両腕に渾身の力を込めながらも圧力を押し込んでくるシャナの双眸を
極限まで研ぎ澄せたパールグレーの瞳で鋭く射抜いた。
視界を越え、
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