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STARDUST唐eLAMEHAZE
第一部 PHANTOM BLAZE
CHAPTER#23
戦慄の暗殺者\ 〜Metamorphoze〜
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、そしてこれからも。
 追憶を反芻したフリアグネはマリアンヌを見つめながら、
穏やかな口調で語りかける。
「大丈夫。私なら、何も心配はいらない。
こう見えても、私は結構頑丈で、ね……ぐっ!?」
 無理に起き上がろうとしたフリアグネを、
突如激しい眩暈(めまい)と嘔吐感が襲う。
「ご主人様ッッ!?」
 怯えるような声をあげるマリアンヌを、フリアグネは片手で制する。
 再び落ちた片膝、それでも無理に目元と口元を笑みの形に曲げ、
「それより、ケガはなかったかい? 私のマリアンヌ?」
整った輪郭の線の震える笑顔で、優しく彼女に問いかけた。
「ハイ……」
 その優しさが痛かった。
 その優しさが辛かった。
 どうして、今、アノ 「躰」 じゃないのだろう?
 どうして、今、こんなに小さい 「器」 なのだろう?
 そして、なんて無力なんだろう?
 今の自分の存在は。
 そのマリアンヌの葛藤を余所に、
フリアグネは再び精神を集中させ戦闘の思考を研ぎ直した。
 そして、戦況的にこうも押されている自分の状態を、(つぶさ) に分析し始める。
(戦力的には互角。否、ダメージの在る分ヤツの方が遙かに不利の筈。
にも関わらずこうも後手後手に廻るのはヤツの精神状態、
引いてはその怒りの 「源泉」 が微塵も読めていないからだ。
だから解らないが故に、 「力」 だけで強引にコトを押し進めようとする戦闘傾向に陥る。
先刻から私は熱く成り過ぎて、ヤツのペースに巻き込まれている。
無益な鍔迫り合いでの攻防等その良い証拠、 )
 しかしその戦況解析は、前方から迫る烈しいの喚声によって中断を余儀なくされる。
「オオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォォ!!!!」
 灼熱の息吹と剣気を撒き散らせるフレイムヘイズの少女が、
紅蓮の炎で覆われた刀身を大地に引き擦り、
瓦礫の水面に狂暴な音を掻き立て夥しい火花を噴き散らしながら
疾走してきていた。
 その強烈な気配へ反射的に応じそうになる自分を、フリアグネは激しく戒める。
(乗せられるな! それより 「感覚」 を研ぎ澄ませッ! フリアグネ!
ヤツの無軌道で乱雑な斬撃が、次は “マリアンヌに当たらない” という
「保証」 はどこにもないんだぞ!!)
 そう強く心の中で叫び、水平に両手長剣を構えブレードの表面に
左手を浸すように(かざ)す。
 刀身で白い陽炎に、怜悧な瞳を揺らめかせながら。
(次の 「一合」 で見極めるッ! 貴様の力の 「正体」 !)
「ッッッッッッラアアアアアアアアアアアァァァァァァァァ――――――――!!!!!」
 必殺の一刀の為に、無防備な左の肩口を敢えて相手に晒す 「車の構え」 のまま、
摩擦の火線を描きながら瓦礫の上を引き
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