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渡り鳥が忘れた、古巣
渡り鳥が忘れた、古巣【D】
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RIA(マリア)を改札口で待機させ、一佳とDREAM(ドリーム)を乗せ、警察署に向かった。警察で、直子の服装を言い、捜索願いを、出そうとしたら、「似たような服装で、熱中症で倒れた遺体が、安置室に或る」と、言われた。その日は、真夏で、日中の気温は、35度を越していた。一佳とDREAM(ドリーム)を婦人警官に預け、直弘は、安置室に入った。遺体は、面覆いを被っていた。面覆いを外した。母の、直子だった。直弘は遺体に、泣き崩れた。直子は、路上で倒れていた処を、発見された。死因は、熱中症に依る、心不全だった。来る(はず)も無い、泰弘に、逢いに行く為の、悲しい出来事だった。暫くして直弘は、安置室を出て、駅で待機しているMARIA(マリア)に、電話を掛けた。警察署の玄関に、一台のタクシーが、停まった。MARIA(マリア)が、飛び降りてきた。彼女は、安置室に入り、直子の遺体に、泣き縋った(すがった)。
古民家の居間に、EKYYNのワンピースを着た、遺体が、布団の上に寝かされていた。同好会の仲間達や、彼等の親達が、次々と、弔問に訪れた。遺体を見て、仲間達全員が、床に泣き崩れた。由実子が、面覆いを外した。直子の死に顔は、寂しい悲しい顔をしていた。「小母ちゃん、嫌、嫌、駄目、駄目」と、由実子は泣き叫び、直子の遺体に、しがみ付き、離そうとは、しなかった。直弘が、直子の大好きな曲を、レコードで掛けた。その曲は、霊歌の様にも、聴こえた。直子の指のピンクの指輪が、物哀しげに、光を放っていた。服役中の、泰弘の処には、直子の訃報は、届かなかった。
三年の月日が流れた。泰弘は刑期を終え、マニラ近郊の、ビリビッド(Bilibid)刑務所を出所した。刑務所に、Miss.MILAI(未来)と、ナイト・クラブの日本人オーナーの遠藤明弘と、MILAI of the houseの子供達が、出迎えた。しかし、JATCの関係者の出迎えは、一人も無かった。泰弘は、MILAI of the houseに行った。MILAI of the houseの室内には、泰弘が贈ったテレビは元より、日本のNGO未来の倉庫から贈られた、学習机や本棚が入っていて、庭には、井戸も掘られていた。子供達が泰弘に、インターネットで、日本の画像や、動画を見せてくれた。泰弘は、一週間程、MILAI of the houseに滞在して、日本への、帰国の途に付いた。マニラ空港を発ち、眼下に広がるマニラを見て、泰弘[自分は、この国に、何の為に、来たのだろうか?]と、疑問を感じていた。暫くして、眼下の景色は、雲海に阻まれて、消えた。4時間半の、フライトだった。成田空港に、到着した。空港に直弘、MARIA(マリア)、(かい)、Mary(メアリー)、一佳、DREAM(ドリーム)の、6人が出迎えた。Mary(メアリー)が、日本語で「お帰りなさい」と、
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