第三章
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「朝になってっていう場所やのに」
「そやから心配いらへん」
「爺ちゃんははよ家に帰り」
「それでそのワンちゃんや猫ちゃん達と一緒におるんや」
「お孫さん達と囲まれてな」
「では行って来るのじゃ」
老人は能天気さが変わらない二人に呆れてもう止めなかった、二人はその彼に明るく手を振ってから稲荷神社の方に言った。
虫の声がするがいよいよ夜になろうとしていて周りは見えなくなりだしていた、稲荷神社の社も闇の中に消えようとしている。
その境内に来てだ、二人はここでも周りを見回した、葵が彩菜に言った。
「如何にもやな」
「狐火出てきそうやな」
彩菜も葵にこう返す。
「見たところ」
「ほんまや、狐火出たらな」
「速攻で画像か動画撮ってや」
「ツイッターにあげよな」
葵も言う。
「実況続けてるし」
「何かフォロアーの人達の書き込みが白熱してきたわ」
携帯でツイッターを観るとだ。
「さあ、いよいよや」
「狐火が出る時間や」
二人はツイッターを観つつ笑みになり周り、特に社の方を見た。すると。
社の周りにだ、一つ一つ周りを囲む様にだ。
青白い火はぼっ、ぼっ、と出て来た、二人はその火達を観て文字通り飛び上がって喜んだ。
「ほんまに出たやん!」
「狐火やん!」
「話はほんまやったんや!」
「ここ狐火出るんや!」
「よっしゃ、早速撮影や!」
「ツイッターにうっプすんで!」
まさに夜になろうとしている境内の 中で大はしゃぎで言い合う。
「祭りや祭り!」
「狐火祭りや!」
「何の祭りや」
その二人にだ、何処からか声がしてきた。
「一体」
「その声は狐かいな」
「今夜はここには神社の人も来んっていうし」
二人は老人の忠告を思い出してこう察した、彼の話は耳と頭に記憶されているが採用していないのである。
「妖力を持つ狐」
「それの登場か」
「そやったらどないする」
二人の周りにだ、一つ一つだった。
青白い狐火が出て来てだ、二人に問うてきた。
「今日どんな日かわかっとるやろ」
「わし等の祭りの日やぞ」
「それを邪魔しに来たんか」
「大阪の棟梁さんまで来てるのに」
「そうしに来たんか?」
「邪魔?人聞きの悪いこと言うなあ」
「ほんまや、うち等そんな悪いことするかい」
二人は狐火達に怒った顔で返した、本気で怒ってはいないが。
「ただ狐火がほんまに出るか観に来ただけや」
「ツイッターで実況しながらな」
「それだけや」
「別に祭り邪魔するつもりないわ」
「それはあんた達で楽しんでや」
「うち等一切邪魔せえへんわ」
「話は聞いたわ、それにお供えも持って来たみたいやな」
これまでとは明らかに何かが違う重厚な声が聴こえてきた、そして。
社の前に巨大な、それ
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