第一部 PHANTOM BLAZE
CHAPTER#22
戦慄の暗殺者[ 〜Rebirth Chronicle〜
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不意ではないが意表は突かれたフリアグネは、
鋭い躰のキレで亜音速射出された炎の闘刃の圧力に一瞬
持ち手を内側に押し込まれるがすぐに。
「こんな子供騙しがッ! ナメるなッ!」
すぐさま刀身に込めた白い存在の炎気を内部で収斂、
放散させて “ウィンザレオ” を覆う炎を強化,、
真一文字に薙ぎ払った斬撃で 『炎妙ノ太刀』 を引き裂いて
猛火の破片を眼前に撒き散らす。
「フッ」
研ぎ澄まされた戦闘神経の影響で、
その耽美的な口唇を笑みにする事もなく
フリアグネは手にした長剣を次なる迎撃に備え膝下に垂れ下げる。
その炎刃同士のブツかり合いで引き裂かれた炎が舞い踊る眼前から、
突如紅蓮の業火で覆われた一刀が喊声と共に飛び出してきた。
「オラオラオラァァァァァァァァァァ―――――――――――ッッッ!!!」
(ッッ!!)
刹那に満たない時間の交錯の中、
火の粉を撒く深紅の炎髪と貫くように自分を視る真紅の灼眼。
紅世の徒である自分にとっては死神を想起させるその色彩。
先刻、斬撃を放った瞬間に足下で生まれた踏み込みの力をシャナは、
長い鍛錬によって磨かれた「体術」により爪先へ温存、
後は炎刃が引き裂かれて自分の姿が一瞬フリアグネの視界から消えた瞬間に
素早く足先に火の粉を集束させて爆砕、足下の瓦礫を踏み割り
鋭く超低空姿勢で紅い弾丸のように飛翔していたのだ。
そして黒衣を突風に揺らしながら高速の片手廻転刺突をフリアグネへと繰り出した。
(先刻の一撃は 「囮」 ……ッ! 私の動作を先読みして行った連携技、だと……ッ!?)
今度こそ不意を突かれたフリアグネは、
超人的に研ぎ澄まされた “狩人” の反射神経で意識よりも疾く躱す。
刹那まで自分がいた場所をガオッと炎の軌跡が螺旋状に渦巻き、
さらに白い残像を灼熱の紅刃が刺し貫いた。
(……ッッ!!)
あとゼロコンマ一秒避けるのが遅れていたら、
フリアグネの背筋に薄ら寒いモノが走る。
しかし。
「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァァァァ!!!!」
その感覚を認識する暇もなくフレイムヘイズの少女は、
呼気を吸う間も与えず飛びかかるように距離を詰め、
無数の斬閃を繰り出してくる。
袈裟斬り、逆袈裟、水平斬り、胴薙ぎ払い、更に上下刺突とありとあらゆる剣技を
ありとあらゆる角度から、無造作に次々に射出する。
前後の技の繋がりはほぼ皆無、ただフリアグネという存在に
刀身を叩き込む為だけにやたらめったらに剣を繰り出し続けるという、
とても 「連携技」 とは呼べない愚直な攻撃だったが、
その手数が多過ぎるのと炎で覆われた大太刀の殺傷力が
凄まじ過ぎるという利点により攻撃のリスクとデメリットは
この状況に於いて
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