第一部 PHANTOM BLAZE
CHAPTER#22
戦慄の暗殺者[ 〜Rebirth Chronicle〜
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故に今ここで全力で討滅させてもらおう!
天壌の劫火アラストールのフレイムヘイズ、炎髪灼眼の討ち手ッ!
否ッッ!! 我らが宿敵ジョースターの血統の片割れ!
紅 の 魔 術 師、空条 シャナッッ!!」
決意の叫喚と共に、手にした “ウィンザレオ” の氷刃が逆巻く白蓮の炎で覆われる。
その揺らめきが、パールグレーの双眸に映って烈しく燃え上がった。
武力、能力、これで両者の条件は五分。
しかし、体力は治癒能力を施していないシャナの方が遙かに悪いと言えた。
だが、そんなリスク等端から存在しないかのように、
フレイムヘイズの少女は露一つ浮かべない表情のままフリアグネを見る。
「剣なんて、使えるの? おまえ?」
「舐めるな小娘。忘れたのか? 私の真名は “狩人” だぞ?
凡そ武器と呼べるモノなら、その全てに精通しているのさ。
今まではソレを使う必要がなかったというだけの話だ」
「ふぅん。ま、精々好きに足掻くのね。結果は変わらないんだから」
「ガキ、が……! 首と胴が離れた状態で、果たして同じ口が利けるのか
今から愉しみだぞ……ッ!」
怒気を押し殺した言葉の後、互いに沈黙したままフレイムヘイズと紅世の徒の二人は、
互いの色彩で覆われた剣を構える。
シャナは右足を前に、左足は爪先が右の踵延長線へ並ぶように置く、
比較的オーソドックスな 『正眼の構え』
対してフリアグネは左足を前に、肩幅へ開き膝をやや弛緩、
更に肘を張って刃を水平に寝かせ、迎え撃ちの際手首の返しで裏刃も使えるようにする、
西洋剣術に於ける “フォム・ダッハ” と呼ばれる構えの変形。
攻撃主体とカウンター主体という、まるで対照的な両者の構え。
そしてその構えを微塵も崩さないまま、互いの存在から刹那の時間も
視線を逸らさず、音も無い気流のような足捌きで自分に有利な間合いと攻撃位置、
初刃のタイミングを針のように研磨された戦闘神経で探り合う。
そし、て。
両者の身体から、否、存在から空間が捻れるかのような
プレッシャーが静かに立ち昇り始めた。
まるで、世界の果てを象徴するかのように。
ただ、立ち昇っていた。
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……!!
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!
二人の全身から発せられる存在のプレッシャーが、
渇いた戦風が吹く破壊空間を錯綜し、
そして相互にブツかり合い高密度で圧縮されていく。
シャナとフリアグネ。
フレイムヘイズと紅世の王。
紅蓮と白蓮。
その二つを司る強力な存在同士の激突は。
決して避けられえぬ因果。
決して逃れられえぬ宿命。
喩えるならば。
ジョースターとDIO。
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