一話 繰り返す四日間
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ら思ってたわ」
「なら、作り過ぎって言えばいいのに」
あれだけの量となると……いや、そうなる前に少し作り過ぎてる位から言ってやればよかったのに。
「明日になればわかるわよ」
ラムはそう言って庭の手入れ『補修』に戻る。
俺もその後を追うようにスコップで土をすくい上げ、凸凹な地面を直していく。
「明日になればわかるってさ。
さっきも行ってなかったけ?」
「言ったわよ」
尚更、明日の客人が気になってきた。
その客人は何者なんだ?
レムが馬鈴薯料理を今も尚、続けているのはその客人が原因だろう。
一体、何者なのかね……。
考えても俺のちんけな脳みそじゃ、納得のいく結論は出ず、俺はラムにその客人に付いて聞く事にした。
「その客人って何者なんだ?」
「ロズワール様のご友人のご令嬢よ」
「それは知ってる。
それ以外だ」
「それ以外?」
「いや、だからさ。
その何者なのかなって……?」
……そのロズっちの友人の娘に付いて全く知らない、知らなさ過ぎて変な質問になってしまった。
「そうね……強いて言うなら神様かしら」
────はぁ?
「神……様?」
「そう、神様」
……神様……神様?
その単語に困惑する。
神様……空想上の存在。
だが、この世界なら存在しても何ら不思議ではない。
なんせここは異世界なんだから。
「と言っても完全な神様ではないのだけれど」
「話が読めないんだけど……」
神様だけど完全な神様ではない?
「神様……神様ねぇ」
俺は神様なんて不確かな存在は信じていない……元の世界だったら。
今、この世界でならどんな事が起きても納得できる様な気がするぜ。
だからその神様って奴も居るのかも知れない……程度に話を進める。
「ロズっちって神様の連れなの?」
「連れ? 友人って事かしら。
そうよ。ロズワール様のご友人らしいわ」
「そこ、そこだよ。
らしいって不確かじゃん」
「そうね。私も実際に会った事はないのだけれど知っているわ。
それに……」
そこでレムの言葉は途絶えた。
「なんだよ、超気になるじゃん」
「神様は神様なの。
そうね……不完全な、継承を終える前のお姫様と言った所かしら」
「えっと……王様みたいな感じ?」
「それでも間違いではないわ。
さて、話はおしまい。掃除を続けましょう」
結局、真相は分からずじまい。
分かった事は明日、屋敷にやってくるロズっちの友人の娘さんをレ
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