一話 繰り返す四日間
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俺の実力だぜ!」
綺麗に皮の剥けた林檎をラムに見せつける。
「どうよ、まあまあだろ」
「そうね……まあまあかしら」
「でも、バルスにしては上出来よ」
完全に不意打ちだった。
その時の笑顔……なんだろ。
ズキュン……いや、ズキューンってきた。
「? バルス?」
「おっと!?
いかんいかん俺とした事が」
落ち着け、落ち着け。
今はお仕事優先。お仕事優先っと。
「さて、馬鈴薯の皮むき続行だ」
馬鈴薯の皮むきを再開する。
が、こんな作業はものの数分で飽きる。
しかも剥いても剥いても数は一向に減らないとなると……モチベが下がる。
少し、作業スピード落とし俺はレムの後ろ姿を観察する。
レムは先程同様笑顔で馬鈴薯達を調理していた。
あれだけの数に怯まずに……。
ポテトサラダに似た何かや。
フライドポテトに似た何か。
コロッケに似た何か。
なんかどっかで見たことあるような馬鈴薯を使った料理がズラーッと並べられていく。
「なんであんなに楽しそうに料理してんだ?」
「それは明日のお楽しみよ」
独り言の様に呟いた言葉にレムはそう言った。
「明日のお楽しみって……」
少し、考え。
山のように積み重なった馬鈴薯の存在を思い出す。
考えるのは後でいいや。
明日になればわかるらしいし今はこっちに集中しないと。
そして、山のように積み重なった馬鈴薯達の皮むき全てを終えたのはこれから3時間後であった。
「うう〜ん、流石に疲れた……」
大きく背伸びし、開放された地獄を思い返す。
あんなに馬鈴薯の皮を剥くのは人生初体験だぜ。剥いても剥いても馬鈴薯の数は一向に減らねぇし……当分、馬鈴薯は見たくないな。
────グゥーッ。
それにしても腹減ったな〜。
あれだけの重労働。
流石にクタクタ……そりゃ、腹も減るよな。
と言っても昼飯までまだ時間はあるし……そういやラムの奴、庭の手入れするって言ってたな。
いや、正確には昼寝だっけ?
まぁ、どっいでもいいや。
とりあえず目的を決めて時間を潰さないとな。
俺はラムが居ると思われる屋敷の外、庭に向かう。
ラムの奴、仕事サボってねぇだろうな。
ラムはやるべき仕事はきちんと?
……ある程度こなすそこそこ有能なロズっちの家に仕えるメイドだ。
妹が有能過ぎるのも考えもんかね?
妹、レムは姉、ラムのするべき事を奪っている……これは正しい言い方ではないな。
レムは本来、ラムが出来ていた事をやっているだけだと前に言っていたけどそのお節介がラムを駄目にしてる気がする。
「あら
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