一話 繰り返す四日間
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言われると余計に怪しんだが……。
俺はティーカップを念入りに確認し、注がれていたお茶らしき水分を凝視する。
────それにしてもいい香りのする紅茶だな……。
なんだろう……なんか無茶苦茶、喉が乾いてきた。
「それにしても君はこの手を敵視しているようだね。
怠慢担当の信徒のせいかな?」
「…怠慢じゃなくて怠惰だ」
「どってでもいいよ。
私が知りたいのは君はこの手を敵視してるかどうかだ」
「────はっきり言うぜ。
大嫌いッだ。ぶっ殺し足りない位に……」
その時、中途半端に思い出し掛けていた記憶を思い出した。
「ありゃ……流石に刺激し過ぎたかな?」
────ぇ?
───────なんだ……これ?
俺の身体を腕が貫いていた。
見えざる手……それは次々に俺の身体を貫通し、切り裂いた。
「ごめんね、今回はここまでみたいだ」
見えざる手は俺の頬を撫でる。
その感触は温かくて……優しい手付きだった。
「手荒でごめんね、君を終わらせるにはこれしか方法はないんだ」
「今はお休み、また四日後会おう」
「私は何度でも待ってるから」
「だから今は────お休み」
「痛ってえ!?」
痛覚を発する指先を慌てて確認し、俺は毎お馴染みテンプレの状況で苦笑いする。
「また指を切ったのバルス?」
「あぁ、今回も盛大に────」
────あれ?
「どうしたのバルス?」
「……いや、何でもない」
なんだろう……この違和感は。
以前もこんなやりとりをした様な……。
指なんて切り慣れてるし、その度に同じ言葉を何度も掛けられてるんだ。
デジャヴみたいなもんかな……。
そうしてナツキ スバルの日常は繰り返される。
抜け出すことのできないRe:スタートする四日間に。
彼は何度、体験すればその偽りの日常に気付けるのか?
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