一話 繰り返す四日間
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うの?」
「怠惰……そう、怠慢ってなんだ?
俺の知る限り、その怠惰って位置付けは怠惰だった」
「怠惰……あぁ、新たに派生した七つの大罪だったかな。
君の知ってる七つの大罪は新しい七つの大罪でね。君の、その……なんて言ったかな────そう、怠惰だっけ?
あれは罪を犯し終え、罪を償い切れなかった哀れな魔女の事だよ」
「……全く、理解できないんですけど」
「うーん。これは小難しい話だからね。理解しろと普通の人間に言っても無理だよね、ごめん」
ラードーンはぺこりと頭を下げた。
なんでだろう。謝られたのにイライラが治まらない。
アイツが俺の完全に見下しているからだろう。
「あーっとね。それならこの手」
ラードーンは見えざる手を出現させ。
「この手、何か解る?」
ペテルギウスの見えざる手……。
魔女教『怠惰』担当のイカレ野郎の能力だ。
それを目の前の魔女 ラードーンは平然と使っている。
「多分、この手はその怠惰の魔女の遺した遺産だと思うんだけど?」
「────え、ちょっと待て!」
「なに?」
「怠惰の魔女が遺した……遺産?
待てよ、それはペテルギウスの『見えざる手』だろ?」
「ペテルギウス……?
もしかして怠惰の福音書を手にした信徒かな?」
「怠惰……の福音書?」
福音書……魔女教の奴らが持ってるあれの事か……?
「そう、怠惰の福音書。
その持ち主に選ばれた信徒ならコレを使えると思うんだけど」
「じゃあ……見えざる手はペテルギウスの能力じゃなかったのか」
「それは少し、違うね」
新たに見えざる手からクッキーを取り出し、ラードーンは口にしながら。
「福音書を与えられた瞬間か『見えざる手』は持ち主に刻まれる。
例え、福音書を失おうと見えざる手はそのままだ」
「なら、お前のその手は?」
「むぅ?
この手? この手はね、僕が創ったんだ」
更なる疑問に頭を悩ませる。
────落ち着け、色んな意味で落ち着け、俺。
「じゃあ、その手は『見えざる手』とは別物って事でOK?」
「うーんとね。そうとも言えるし、そうじゃないとも言えるかなー」
「どっちだよ!?」
「まぁまぁ落ち着きなよ、スバル。怒ってもこの状況は変わらないよ?」
コイツに言われると余計イライラするんですけど!?
いかんいかん落ち着かねば……。
俺は隣の小さなテーブルに置いていたティーカップに目を向け……警戒しながら触れる。
「毒なんて入ってないよー」
そう
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