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ソードアート・オンライン〜Another story〜
マザーズ・ロザリオ編
第237話 ボスを倒したいT
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 レイナやアスナが、考えを廻らせて告げた時……。

「多分違う。そうだろう?」

 ここまで目を瞑って考えていたリュウキが不意に口を開いた。

「「え?」」
「「!」」

 その言葉を訊いて、アスナやレイナ、それだけでなく ユウキやランもリュウキの方を見ていた。

「通常の、一般的で基本的なボス攻略をしたい――。参加(・・)したい。と言う訳ではない。そうじゃないか?」

 リュウキは、ユウキとランを見て、そう言った。
 
 ランは、その眼を見て―――、また 思い馳せる。



『ぜーんぶ、見透かされちゃうんですよね……。そんな気がするんです。……真剣な顔をしたときが、要注意っ♪ 色々とね? ―――でも……今考えたら、何だか、恥ずかしい気もしますが』



 その眼は、何でもお見通し、だと言う事。
 そんな訳ないとは思う。……彼女の歳を考えたら……その思い出は 幼少期の話だ。色々と肥大していても、おかしくは無い。……だけど、説得力はあった。




 その思い馳せた気持ちを――ランは必死に胸の中に押しとどめて……。

「はい。その通りです」
「うんっ」

 2人は、互いに頷いていた。
 
 だが――、アスナもレイナもよく判らない。

「えっと――、つまり どういう事に……?」
「うん……。ボスを倒すなら……その方法じゃ?」

 判らないのも無理も無い――、彼女達の考えが色々とぶっ飛んでいるから。それをある意味見抜いたリュウキも、ぶっ飛び具合は決して負けてはいない、と言う理由なのだ。

「つまり、攻略組に混ぜてもらおう、と言う訳ではないんです」
「うんうん。でっかい集団達が、ボスを倒そうと頑張ってるのは知ってるしねー」

 2人は、そういうと――上目遣いになって、懇願する様に言う。


「私達は……、ここのメンバーだけで、ボスを倒したいんです」
「うん。……ここにいるメンバー10人だけで! 本当 前のアップデートがここまで嬉しく思うなんて、思わなかったねー」


 2人の言葉を訊いて、今度こそ、たっぷりと放心してしまうのは、アスナとレイナ。

 だが、それでも 長くは無い。直ぐに気を取り戻して。


「「えええーーーっ!!?」」


 それは、この宿屋に来て、この場にいる全員を合わせても、最大音量で部屋に響いた。

 その理由は至極単純だろう。

 新生アインクラッドに配置されているフロア守護のボスモンスターは、オリジナルのSAOと比べると、やけくそなまでの強化を施されているからだ。もちろん、ゲームシステムが大幅に変わっているので、単純な比較はできはしないが……、そこは優秀な測定士? のリュウキがいるから、説得力増大である。
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