暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
マザーズ・ロザリオ編
第237話 ボスを倒したいT
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る。

 そして、続くのは その隣にいる土妖精族(ノーム)の巨漢。だが、3人が知る巨漢――エギルとはまた違った風貌で、にこにこと細められた両眼が、その容姿に盛大に愛嬌を添えていた。

――エギルさんも、これくらい愛嬌のある接客? が出来れば、売上更に上がるのに……。

 と、一瞬考えてしまったのも束の間、その巨漢の彼が、のんびりとした口調で名乗った。

「えーっと、テッチ、と言います。どうぞよろしく」

 そして、次に立ったのは、ひょろりと痩せた鍛冶妖精族(レプラコーン)の青年。
 特徴的なのは、きっちり5・5に分けた髪、そして鉄ブチの丸メガネ。そこから、真面目な学生めいた印象が得られる。小さな丸い目をいっぱいに見開いて、何処となく赤面しつつ、どもりながら言う。

「わ、ワタクシは、そ、その……、た、タルケン、と申します。よ、よ、よろしくお願いし……イタッッ!!」

 必死に最後まで言おうとしたのに、まさかの方向から妨害が入った。
 彼の左側に座っていた女性プレイヤーが、随分と重そうなブーツで、むこうずねを蹴飛ばしたからだ。

「(……い、痛そう)」

 何処となく、自然なやり取りに見えたのだが、思わず ぎょっ! としているかの様に悲鳴を上げた彼を見て、相応のノックバックが発生したのだろう事は想像できる。それに、一見しただけだが、かなり良い装備だと言う事は、全員を見てよく判ったから、尚更だ。

 と、色々考えている間に、蹴っ飛ばした本人の自己紹介が始まった。

「いいかげんその上がり性を直しなよ、タルは! 今回は、女の子だけじゃなくって、男の子だっているのにさ。アンタ、そっちの気もあるっていうの?」
「ななななっ、そ、そんな事、無いですっっ!!」
「なら しっかりしなって。ま、女の子2人に、男の子1人の割合じゃ、まだタルには難しいかな?」
「むむむーーっ!!」

 何やら勃発している楽しそうな言い争い。
 何処となく、リズ達とのやり取りに通じる物がある、と感じたのは間違いではないだろう。……Sッ気があると言う事。つまり無自覚ではあるが、リュウキにも通じる。本人は皆無だが。

「っとと、そんな事より――」
「わっ!」

 ずいっ! とタルケンの顔を鷲掴みにして 押しのけると、ぱちんっ!とウインクをして 改めて向き直る。彼女は、浅黒い肌、そして 灰色の翅を持つ妖精。……ユウキとは何処か違う濃い色を持つ妖精、即ち 影妖精族(スプリガン)の様だ――が、その印象からはかけ離れてしまっているのは気のせいじゃないだろう。
 かの有名な、スプリガンのブラッキー先生がその印象に拍車をかけているのだから。『くしゅんっ!!』

「アタシは、ノリ。会えてうれしいよ。アスナさん、レイナさん、リュウキさん
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