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ソードアート・オンライン〜Another story〜
マザーズ・ロザリオ編
第237話 ボスを倒したいT
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出鼻を挫かれてしまった様子だったが、さして気にする様子の無く笑顔だったユウキ。
いや、どうやら少し違った。――ユウキは 先ほどよりも、
より
(
・・
)
笑顔だった。その理由は簡単で 昨日今日の付き合いどころか、ついさっき知り合ったばかりのアスナやレイナは勿論、リュウキにも判った。
――……仲間達の元に戻ってきたから。
その一言に尽きるだろう。
リュウキもそれはよく判る。
かつて、自分自身は、仲間を本当の意味で信じる事が出来なかった。そんなリュウキも……その気持ちは、今では当たり前の様に判る。……本当によく判るから。《仲間》と言う何にも代えられないかけがえのない宝物を初めて理解したあの時から、心の中に留まっているのだから。
だからこそ、今のユウキの笑顔を、そして ランも同種の笑顔を見せているその理由が判る。そして、彼女達を迎えてくれている仲間達の笑顔もよく判る。
「改めてお帰りーユウキ! ランも!! そっちの人達が?? 見つかったのっ!?」
ランも戻ってきて、改めてはしゃぐ様に、少年が出迎えてくれた。
酒場の中央の丸テーブルに座っているのは、少年だけではなく、合わせて5人のプレイヤーが陣取っていた。他には人影はなく どうやら店を全て借り切っている様だ。
ユウキは5人に駆け寄ると、両手を広げながら アスナ達3人の方に振り向いた。
「うんっ! ボクも改めて紹介するねーっ! ボク達のギルド、《スリーピング・ナイツ》の仲間たちっ!」
くるくると回るユウキと、それを見守る様に微笑むラン。仲間達も同じ様子だ。
その後、ユウキは再び半回転して、今度はアスナ、レイナ、リュウキを手で示して。
「で、このお姉さん達とお兄さんは―――………」
と、ここまでは順調だった。
だが、よくよく考えたら 大事な事を忘れている気がしたのにいの一番に気づいたのは、ランである。あっちゃぁ……と考えている様なのがあからさまな表情をした後に、額に掌を当てて、酒場の天井を仰ぐ仕草をしていた。
そんなランをちらっ と見たメンバーは、『どうしたの?』と一瞬首を傾げそうになったりながら、訳を訊こうとしたが、直ぐに理由が判った。
ほかならぬ、ユウキの言葉で。
「ごめんっ。まだ、ちゃんと名前訊いてなかったっ!」
一斉に、だぁぁっ、 と5人のプレイヤーが椅子の上で派手によろけた。打ち合わせをしていたのであれば、見事なリアクションだと言えるが、これが
極自然
(
ナチュラル
)
だと言う事は、この場に連れてこられた3人はよく判る。
「はぁー」
「え、えっと! そーだ、そーだ! お兄さんの事は知ってるよーーっ!!」
姉のランの盛大なため息を訊いて、条件反射の様に 必死に打開策
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