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STARDUST唐eLAMEHAZE
第一部 PHANTOM BLAZE
CHAPTER#21
戦慄の暗殺者Z 〜Emerald Explosion〜
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小炎が宿り、それが次の行動命令発動の合図なのか
上階に逃げた花京院を追って背後の階段に大挙して押し寄せた。
 全身にかかる重力の魔を感じながら花京院は、
これから撃つべき戦術を構成する為にその長い経験で培われた
スタンドの思考を練り始める。
(これで、少しは時間が稼げる。
その間になんとかヤツらを一網打尽にする 「手」 を考えなければ。
出来れば “エメラルド・スプラッシュ” 一発で
「全滅」 出来るような 「手」 を)
 集中力を研ぎ澄ませるその彼の眼前に、
予期せぬ光景がいきなり飛び込んできた。
(―――――――――ッッ!!??)
 スタンドを使った上空移動、視界に入った 「2階」 の惨状、
時間的には一秒に満たなかったが階層に存在するありとあらゆるモノが破壊されていた。
 少なくとも花京院にはそう見えた、蛍光灯が割れ、床の表面が剥がれ、壁が抉れ、
全ての教室のプレートが砕けていた。
 そして、その周囲にはもれなく数多の白い炎が類焼している。
 まるで爆弾テロにでもあったかのような、壊滅的な惨状。
 問題なのはその惨状自体ではない、そこに 「誰が」 居たのかだ。 
「ッッ!!」
 心臓の鼓動が、うるさいくらいに脈を打つ、
背筋に冷たい雫の伝う戦慄が走る。
「彼」は、そのとき、2階、に。
「く、」
 震える花京院の口唇から、
「空条オオオオオオオオオオォォォォォォ――――――――――ッッッッ!!!!」
自分でも予期しない程の絶叫が飛び出した。
 しかし、当然の事ながら返事は返って来ず、
望みに反して花京院は目的地である3階に到着する。
「空……条……」
 半ば放心に近い状態で、その淡く潤った口唇から弱々しい呟きが漏れる。
 すぐにもその身を翻して、二階の窓に飛び込みたいという欲求が
耐え難く湧き上がってきた。
 が、しかし、その強烈な感情を花京院はなんとか押し留めた。
 爪が皮膚を突き破る程拳を握りしめ、
己がいま果たすべき事を再確認し、強い覚悟と共に背を向ける。
 口内もきつく食いしばったため口唇の端から細く血が伝っていた。
(任せてくれ……空条……ッ! 「約束」 したよな……?
今度はボクが君を助ける番だと。“君がボクにそうしてくれたように”
何が在っても! 絶対にッ!)
 彼は、自分に他の生徒達の安全を託した。
 自分を “信頼” して託してくれた。
 だから、彼を探しには行かない。
“そんな事をしても彼は喜ばない筈だから”
 だから自分も、彼を “信頼” する。
 こんな事で、自分を倒した彼がやられる筈はない。
「……ッ!」
 離れているのに傍にいるような、奇妙な充足を感じながら
花京院は決然と顔を上げた。
 その視線の先。 
 3階の惨状、 否、
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