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STARDUST唐eLAMEHAZE
第一部 PHANTOM BLAZE
CHAPTER#20
戦慄の暗殺者Y 〜Don't leave you〜
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全身を蝕むダメージにより、気持ちとは裏腹に膝を支える力が抜け、
少女はもう一度抉れた地面の上にヘタリ込んでしまう。
 その様子を、裡なる存在が激しく叱咤した。
(バカッ! 立つのよッ! 立ちなさい! シャナ!
アイツが 『勇気』 をくれたんだから! それを無駄にするのは私が赦さない!)
「ッッ!?」
 その、自分の「背後」に、いつのまにか 『もう一人の自分』 が、いた。
 脳に受けたダメージの影響が生み出す 「幻覚」 なのか?
 それとも自分の精神のナニカを、無意識の内に 「投影」 しているのか?
 とにかく陽炎のように朧気だが、確かな存在感を持ってそこに居た。
 まるで、“アイツ” の操る 『幽波紋(スタンド)』 と同じように。
 灼眼ではない黒い瞳と、炎髪ではない黒い髪、
そして今自分が着ているものとは違う、白い半袖のセーラー服。
「なんで……立つ、の……?」
 再び無理に躰を引き起こしながら、答えの解りきった質問を
シャナは背後の自分に向けて問いかける。
(そんなの……決まってる……)
 静かに答えて、自分が自分に歩み寄る。
 そして、同時に口を開く。
(アイツが)
「アイツが」



「「待ってるからッッ!!」」



 二人の声が重なった。
 同時に沈黙していた刀身が、突如紅蓮の炎で覆われる。
 炎刃合一。灼熱の紅刃。
『贄殿遮那・炎霞(えんか)ノ太刀』
破壊力−A スピード−シャナ次第 射程距離−C
持続力−A 精密動作性−シャナ次第 成長性−A



「私は一人じゃない!!」
 一際強くそう叫び、最早大刀の支えも必要とせず、
シャナは凛とした表情で立ち上がった。
 そう、死しても尚、炎の中からより強くより美しい姿で甦る、
“不死鳥” で在るかのように。
 その全身から深紅の火の粉が、まるで鳳凰の羽ばたきのように舞い上がり、
空間を灼き焦がす。
「……ッッ!!」
 フリアグネはその光景に一瞬パールグレーの双眸を丸くするが、
すぐに己を諫めて表情を引き締める。
「ほう? 満身創痍の状態でまだ立ち向かう気かい?
一体何が、そこまで君をそうさせるのかな?」
 余裕に充ちた口調でそう問いかけるフリアグネに。
「それは」
 と、シャナは一瞬口ごもるが、すぐにその必要がない事に気づく。
 そう、自分の真 実(ほんとう)の 「気持ち」 に、口を閉ざす必要なんか全くない。
「それは、私が、アイツの、 『星の白金』 の 「片割れ」 だからッ!」
 手を黒衣の左胸に当て、微塵の違和感もない言葉が口をついて出る。
 無論、アイツの了承はまだ取ってない。
 でも、もう決めた、いま決めた。
 アイツが望もうが望むまいが、もう絶対完全決定事項、
殴ってで
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