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STARDUST唐eLAMEHAZE
第一部 PHANTOM BLAZE
CHAPTER#20
戦慄の暗殺者Y 〜Don't leave you〜
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上に掲げる創痍の少女。
「うぅ……!」
 鬼気迫る表情に、一瞬翳りが浮かぶがソレもすぐに掻き消える。
 そし、て。
「う、 うわああああああああああぁぁぁぁぁぁ――――――――ッッッッッ!!!!!」
 啼き叫ぶような魂の叫喚と共に、冷たく光る白刃の切っ先が、
左胸の位置に少女自身の両手で振り下ろされる。
「むうぅッ!? シャナッ!? 何をッッ!!?」
 少女の、ソノ、信じがたい突然の兇行に胸元のアラストールでさえも
現実を認識出来ない。
(咲き乱れる徒 花(あだばな)は……果たして……)
 皮肉にも、状況を一番冷静に認識していたのは
少女をそこまで追い込んだフリアグネ自身だった。
 その刃の切っ先が、その銘が示すが如く、
少女自身を(ニエ)に捧げようと未成熟な左胸を刺し貫こうとした……



 そのとき!



 猛々しい咆吼がッ!



 シャナの真下から轟いたッッ!!




『オラオラオラオラオラオラオラァァァァァァ―――――ッッッッッッッ!!!!!!!』




「ッッ!!」
 激しい喚声と共にコンクリートを爆砕する破壊音がシャナの身に響く。
 贄殿遮那を振り下ろそうとしていた少女の動きが、その白刃の切っ先が、
左胸の直前で停止していた。
「……」
 逆に返した大刀を抱えたまま、茫然自失となるフレイムヘイズの少女。
 特に想う事は、何もなかった。
 ただ、“アイツ” だ、そう想った。
 その少女に届く、耳慣れた声。
「シャナッッ!! 聞こえてンだろッッ!! 返事はいらねーから聞けッッ!!
いいか!! ソイツの持ってる 「銃」 には当たるンじゃあねー!!
当たればテメーの躰は着弾箇所がどこだろーと、爆弾みてーに木っ端微塵に弾け飛ぶ!!
相手に距離をとらせんな!! 一気に接近してブッた斬れ!!」
 その声を聞いたシャナは、ただ、安らかに、微笑った。
「…………フ……フフフ……フ……フ……」
 切なさよりも儚く。
 愛しさよりも尚強く。
 満身創痍の躰から、か弱い微笑みが涙と共に、ただ、零れる。
「……」
 ひとり、いた。
 いて、くれた。
 何が起きても、何が在っても、絶対自分を見捨てない 「人間」 が。
 誰かが傷つけば傷つくほど、失敗すれば失敗するほど、
躍起になって必死になって、全身ズタボロになってでも助けようとする
底無しに甘い 『大バカ』 が。
 シャナがそう想う間にも声は尚猛々しく、屋上全域に響き渡る。
「あとソイツの持ってる 「鐘」 は周囲のマネキンの起爆装置だ!!
今こっちでも確認したから間違いねー!! 
“音自体が射程距離だから” 爆発は防ぎようがねぇ!!
だから人形に 「形」 を残すな!!
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