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STARDUST唐eLAMEHAZE
第一部 PHANTOM BLAZE
CHAPTER#20
戦慄の暗殺者Y 〜Don't leave you〜
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嬉しいと教えてくれた人。 
 他の誰かを護る事が誇らしいと教えてくれた人。
 ほんの二日前、出逢ったばかりだというのに、その想い出は尽きる事がない。
 手のひらの温もりを教えてくれた人。



“大切な、人” 



 そう。
「時間」 なんて、関係ない。 
 誰よりも何よりも 「大切」 な人だから。
 もう。
 その事に気がついてしまったから。
 少し、遅過ぎたのかも、しれないけれど。
(ッッ!!)
 霧が晴れるように、心の裡で、一つの 「真実」 が浮かび上がってきた。 



 どうして? 人は? 自分の本当の気持ちに素直になれないのだろう?
 どうして? 何もかもどうしようもなくなってから、本当の気持ちに気づくんだろう?



 一番、大切な、人ですらも。
「承……太郎……」
 か細い声で、その人の名を呟く。
 自然と涙が、瞳から溢れる。
 構わない。
 いっそ、涸れるまで流れ落ちてしまえば良い。
 全てが灰になってしまうまで……
 全てが終わってしまうまで……
 今まで…… ずっと……一人で良いと想っていた…… 
 人と関わらず……交わらず……
 街路で楽しそうに言葉を交わす……多くの人々を後目に……
 永遠に死ぬまで 「孤独」 で構わないと……
 でも……
 本当は……
 本当、は……




“誰かに傍にいて欲しかった……ッッ!!”




 少女の脳裏に、紅蓮の劫火に覆われる “アイツ” の姿が過ぎる。
「……イ……ヤ……」
 か細い呟きが、口唇から零れた。
「ソレ……だけ……は……絶……対……イヤ……」
 震える手が、傍に転がっている贄殿遮那へと伸びた。
「ッ!」
 その意図を瞬時に解したフリアグネは、諌める事もなく静観した。
(ほう? 生き恥を晒す事を(きら)い、自ら死を選ぶ、か? 
幼いながらも骨の髄までフレイムヘイズのようだな?
まぁ、それもよかろう。生きていようが死んでいようが
“それらしく” 見えれば問題はない。
自在法でマリオネットのように操れば良いのだからな。
寧ろ口を塞ぐ手間が省けるというもの)
 身の丈以上の大刀を操る、
可憐な少女の「自決」というのも滅多に見れるモノではないので、
背徳的な嗜好を持つフリアグネは興味深そうに成り行きを見守る。
 やがて、シャナの手、が、弱々しくも大刀の柄を掴む。
(私の……承太郎……は……)
 脳裏に浮かぶ、姿。
 その存在が微かに遺った最後の力を呼び熾し、灼熱の決意と共に大刀を握る。
(私が(まも)る……ッッ!!)
 この生命(いのち)に換えても!
 絶対にッ!
「う……」
 震える両手で大刀を掴み、本刃を 「逆」 に返して高々と頭
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