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STARDUST唐eLAMEHAZE
第一部 PHANTOM BLAZE
CHAPTER#20
戦慄の暗殺者Y 〜Don't leave you〜
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と老獪さでシャナは敗れたのだ。
「……………………………………」
 その “狩人” 傍らで、無限の荒野と化した絶望の瞳で
完全に戦意を喪失した少女が一人、頭上を見上げる形で倒れていた。
 その少女に、二人の王の声はもう届かない。
 瞳にも、見上げる空は映ってはいない。
 大破壊現象の起こった屋上で、少女の時間(とき)は完全に停止していた。
 その裡では、自虐的な問いかけがいつ果てる事もなく延々と繰り返されていた。
 自我のフィルターが消失した生の本音で。
 次々に沸き起こる言葉の羅列は、
皮肉にも絶体絶命の窮地に陥って初めて、
心の底から滔々と湧き出した。




 私は……一体……誰……?
 私は……紅世の王……天壌の劫火……アラストールの……フレイムヘイズ……
 でも……もう……私に……その 「資格」 は……ない……
 こんなに……弱い……フレイムヘイズ……
 こんなに……弱い……炎髪灼眼の討ち手……
 敵わないと知ると……逃げる……臆病な……戦士……
 フレイムヘイズの……(ツラ)汚し……
 こんな私を……認めてくれる者なんて……
 もう……この世界の……何処にも……いない……
 この……私……自身……すら……も……
 それ……なら……
 それ……なら……




 せめて、アラストールの名誉だけは護りたい。
 過去に深く刻まれた、心の疵痕(トラウマ)
 余りにも絶対的な力を持つ男によって (もたら) された 「屈辱」
 だが、幾つかの 「人間」 との関わりにより、
最近ようやく癒え始めたその “疵” の全く同じ部分に、
再び悪意の刃が情け容赦なく抉じ込まれ
少女の心は今限りなく 【死】 に近い状態に在った。
 幾ら五体満足でも、心が死んだ者はもう戦えない。
「戦場」 とは、そのような絶対零度の雰囲気(オーラ)で充たされた
冷酷非情の場所。 
 シャナの脳裏に、一人の 「人間」 の姿が浮かんだ。
「?」
 何でこんな時に、“アイツ” の事が想い浮かぶんだろう?
 でも、自分が生きていればきっと、アイツを窮地に追い込む事になる。
“自分が原因で追い込むことになる”
 初めて、自分の存在を認めてくれた人。
 フレイムヘイズとしてではなく、
一人の少女 “シャナ” として、自分に接してくれた人。
 同じような存在の力をその身に携えた 「対等」 の立場の人。
 勝利の手合わせが楽しいと教えてくれた人。
 意外な表情を引き出すのが面白いと教えてくれた人。
 切なさという感情を教えてくれた人。
 強さに対する脅威と敬意を教えてくれた人。
 ビールの苦さを教えてくれた人。
 メロンパン以外のパンの美味しさを教えてくれた人。
 共に闘う事が
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