第一部 PHANTOM BLAZE
CHAPTER#20
戦慄の暗殺者Y 〜Don't leave you〜
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もそうさせる。
今までは、フレイムヘイズの 「使命」 の為に剣を振るってきた。
でも、此れからは、此処からは――!
「フッ……腐ってもフレイムヘイズ、腐っても “炎髪灼眼の討ち手” という事、か?
哀れな、これ以上続けてもただ苦しみが増すだけだというのに」
皮肉めいた物言いを、シャナは甦った紅蓮の双眸で凛と受け止める。
そして同じように、口元にも凛々しい微笑を浮かべてフリアグネへと告げる。
何よりも強く、己を誇りながら。
「そう。私はフレイムヘイズよ。でもおまえ?
私の “もう一つの名前” は知らないでしょう?」
「もう一つの、名前?」
眉を怪訝に顰めるフリアグネに、シャナは
「教えて、あげる!」
そう叫び、紅蓮の灼眼でフリアグネの光彩を真正面から射抜く、
己が全存在を刻みつけるように。
「 “空条 シャナッッ!!” 叉の名をッ!」
言葉と同時に左手が真一文字に薙ぎ払われる。
「『紅 の 魔 術 師ッッ!!』 」
黒衣を靡かせながら、紅蓮の炎で覆われた贄殿遮那を眼前に突き出した。
「フッ……だが、そのダメージだらけの躰では、ね。
最早私が相手をするまでもあるまい。お前達」
微笑を浮かべたままフリアギネはそう呟き、小気味よく指を鳴らす。
その合図に合わせて周囲にいた武装燐子達が、剣を両手に携えて陣形を組み出した。
「……」
シャナはその燐子達になど目もくれず、あくまで紅世の王、
フリアグネのみを射抜いていた。
紅蓮の炎が宿る、誇り高き真紅の瞳で。
そして、止まった瞬間が、刹那動き出す。
シャナは右手に握っていた大刀をそのまま軽やかに放った。
宙に放たれた刀身が反転して紅蓮の弧を描く、
そして目の前に来た柄を素早い手捌きで持ち直すと、
「オオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォッッッッッ!!!!!」
逆手で大刀を前に差し出したシャナの口唇から、
勇ましく猛々しい灼熱の息吹が湧き上がり、
同時に炎髪が大量の火の粉、否、「炎気」 を撒き熾し空間を灼き尽くす。
“炎妙ノ太刀” の要領で、柄を透して刀身内部に炎気を込め、
ソレと同時に剣気と闘気、そしてアイツから貰った何よりも大切な
『勇気』 を込める。
そしてシャナは、大刀を逆手に携えたまま居合い斬りの要領で腰を捻りながら
落とした構えを執り、左手は絡めながら前方へと押し出しそしてやや捩じる。
揺らめく炎の陽炎に紅蓮の残像が映る無駄のない動作に呼応して、
“贄殿遮那” 内部で集束した三種の 「気」 の融合体がやがて、
周囲の分子配列を変異させ紅い放電現象を引き起こし始める。
その、戦慄の美を流す大太刀 “贄殿遮那” の裡で
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