幽州編
第25話 趙雲と公孫?
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しては部下にバサラを探させ、バサラのことを見つけはしたのだが、
「・・・そして、あの男が居るのがよりにもよってあの『張世平』の家だとはな・・・」
「ええ。あの男に手を出しづらくなりましたな・・・」
2人の話題に出た張世平、真名を誠和、この男が話題に出たのはある理由がある。
それは、この男が幽州において途轍もない影響力があるからだ。
張世平は中華を周りながら行商をしているが、中華の各地に店を出している。
そのために中華の多くの情報を得ており、多くの富を手にしている。
特に中華北部、東部に絶大な影響力がある。
そして、ここ幽州においてもそれは変わらない。
公孫?は北平の太守ではあるが、幽州の刺使でも州牧でもない。
北平は五胡との国境沿いで、防衛の観点から比較的多くの兵権を任せられてはいるがそれは兵権に限り、他の権限は刺使や州牧に劣る。
そのため公孫?は商人を重用して資金などを工面してもらい、軍事費の足しにしている。
その中でも張世平は公孫?にたくさんの援助をしている。
だから公孫?はバサラと張世平との関係が分からない今、下手に手を出すのは得策ではないと考えていた。
「まったく、あの男が張世平とどういう関係なのかは分からんが、あの張世平が自宅に匿うくらいだ、よほど親密な仲ということになるな。」
「ですが、分かりませぬな・・・」
「何がだ?」
「あの赤馬の男のことです」
「ああ、そういえばあの赤馬の男は五胡に歌うために出て行ったと聞いたが、なんのためにそんなことをしたんだ?」
「・・・分かりませぬ。
私もそれをあの男に聞いたのですが、
『おれが歌いたいから歌った。それだけだ』
と話し、さらにはこれからも五胡に対して歌うのか聞いたら
『当たり前だ!!』
と言ってのけました。」
「・・・本当に訳が分からないな」
はあ、と溜息をつく2人。
五胡に対して馬に乗り楽器を弾きながら歌う者など、未だかつて聞いたことも無い。
いや、あの男を除いてこれからも出ることは無い、それほどのことなのだ。
「しかし、あの男の馬術は目を見張るところがあります。
あれほどの馬を自在に操り、楽器を弾きながら歌うだけでも至難の技であるのに、一度も弓矢が当たらなかった。
それにあの男がその気になればあの部隊の長の首など容易く取れるほどのものでした。
あのようなこと、私はおろか白佳殿でもできるかどうか・・・」
「お前がそこまで言う程、か・・・」
公孫?は趙雲からバサラに対してのことを聞きながら考えこんでいた。
(あの赤馬の男の目的が全然読めない。五胡に歌を歌って何になるというのだ。歌いたいから歌った?
五胡の部隊の長の首を取れる程の馬術を持っているのに?)
「・・・その男のことは今の時点では全然分からない。
取り敢えずはその男を監
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