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真・恋姫無双〜中華に響く熱き歌
幽州編
第24話 趙雲とバサラ
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るせえ!んなこたあ分かってんだよ!」
慌てふためく五胡の隊長。
「ええい!こうなりゃあ、本気でやるぞ!
野郎ども!『パルティアン』でやるぞ!
赤馬野郎にでさえ手え焼いてんのに、趙雲の野郎までいやがるなんざ、割りに合わねえ!」
『おう!』

ーパルティアンー
それは、馬に乗る北方遊牧民が使っていた戦闘方法である。
馬に騎乗しながら矢を放つもので、敵が足を止めれば矢で狙い撃ちにし、追撃に出れば退却しながら矢を放ち、退却すれば馬で追撃しながら矢を放つという戦闘方法である。
敵を一方的に虐殺、殲滅することができる。
これには馬、弓矢、馬術の扱いに長け、集団での使用を想定されることから相当な訓練が必要だが、北方遊牧民(この小説では五胡)は平時から馬と触れ合い、狩りにおいてこの戦闘方法を使用しており、いわば使い慣れているベテランの集まりである。
現代で言えば軍隊の特殊部隊又は戦闘機乗りであろうか。
それが数千、数万人もしくは機もいると想像してもらえれば分かるだろうか。
これにより北方遊牧民は、火器、重機などが登場するまで最強と呼べる存在であった。

それを趙雲1人に使おうと言うのだ。
だが、今回は殲滅する為に使うのではなく、退却する為に使おうとしている。

「野郎ども!パルティアンでこのまま退くぞ!!」
「隊長!趙雲を討ち取る好機ですよ!?
このまま討ち取りましょう!」
「んなこたあおれも分かってる!
だが、ここは退くぞ!」
「は、はい」
報告をした兵士は不承不承という様子ではあるが、納得したようである。
(そりゃあ、俺だって趙雲を討ち取りてえ。
だが、趙雲1人討ち取るのにこちらは100や200は殺られちまう。
それに、趙雲1人だけじゃなくまだ軍がいるって見た方がいいからな。
なんにしろ、趙雲を討ち取るまでに軍が来る方が高えと見た。
なら、趙雲の野郎を討ち取るのにこだわらねえで、パルティアンで逃げた方がいい。
って、考えたが、今は言う暇がねえからな。)
五胡の隊長は趙雲以外にも軍が居り、趙雲を相手にする間に軍まで相手にすることになると思い、退くことを選んだ。
だが、退くことを選んだのはもう一つ原因がある。
それは
「てめえら!争いなんかやめて、おれの歌を聴けええ!」
バサラの存在だ。
(あの野郎がいなきゃ、趙雲相手に集中できるから、殺すっていうことも考えたんだが、あの野郎にも少しは兵を分けなきゃならねえ。
ちくしょう!なんなんだよ、あの野郎は、訳が分からねえよ!)
そう思いながら、パルティアンで退却する五胡の軍勢。
それにバサラは
「おい、待てよ!まだおれの歌は終わってねえぞ!!」
そう言って、五胡の軍勢を止めようとしたが、そのまま退却していく。
「ちえっ・・・なんだってんだ」
そう
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