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STARDUST唐eLAMEHAZE
第一部 PHANTOM BLAZE
CHAPTER#19
戦慄の暗殺者X 〜Heat Capacity〜
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烈な体感。
 その二つの衝撃が声を上げる間もなく、マリアンヌの全身で激しく渦巻く。
 次の刹那、マリアンヌの躰はそのダメージにより存在の形を維持出来なくなったのか、
白い人型の炎の塊と化しまるで宵闇前の夜霧のように空間へと散華した。
 残された純白の長 衣(ストール)が宙に靡き、
一枚の金貨がリノリウムの上に落ちて澄んだ音を立てる。
「フッ……やっぱ “ハリボテ” かよ?」
幽 波 紋 流 法(スタンド・モード)』 を放つ前から、
その 「結果」 を予測していた承太郎は微笑を浮かべ
洞察の正しさを実感する。
「くぅぅぅッッ!!」
 霧散する白炎に巻かれながら本当に悔しそうな声をあげて、
宙に浮いた一体の 「人形」 がバランスを崩した軌道で飛び出した。
「おっと!」
 周囲に立ちこめる残り火の中、
死角からからいきなり伸びてきた 「人間」 の腕が、
肌色フェルトの躰を素早い手捌きで掴んだ。
「なぁッ!?」
 予想外の事態にその 「人形」
先刻までの美少女 “マリアンヌ” は驚愕の声をあげる。
「この空条 承太郎に、同じ 「手」 が二度通用するなんて思い上がるのは、
十年早いンじゃあねーか? マリアンヌ?」
 口元に不敵な微笑を浮かべて、承太郎はすっぽりと手の中に収まる
マリアンヌの顔をライトグリーンの瞳で覗き込む。
「こ、この! 離しなさいッ! 空条 承太郎!」
「フッ……!」
 口調と声色は変わっていないが、
何分 「見た目」 が随分可愛らしくなっているので
意図せず承太郎の口から笑みが零れる。
「わりーがそいつぁ出来ねー相談だな。
このままオメーを連れて屋上に行き、
それをダシにオメーのご主人様とやらには
無条件降伏と洒落込ませてもらうぜ」
「な!?」
 再び手の中でマリアンヌは、その愛くるしい表情は変えないままで声をあげる。
「あんまり気が進まねー 「手」 だが、
他の生徒やセンコー共の生命(いのち)には代えられねーんでな。
ま、堪えてくれ」
 承太郎は怜悧な美貌に少しだけ (よこしま) な笑み浮かべながら、
マリアンヌにそう告げた。
「ひ、卑怯よッ! 空条 承太郎!
男なら正々堂々、私のご主人様と勝負なさい!」
 激高したマリアンヌがその (本当に) 小さな躰を動かしながら抗議の声をあげる。
「ハッ、紅世の徒(テメーら)には死んでも言われたくねぇ台詞(セリフ)だな?」
 事実上、もうこの戦いは「結末」を迎えたも同然なので、
やや気分が弛緩した承太郎は左手で煙草を取り出し器用に銜える。
「まぁ安心しな。命までは取らねーよ。
その代わりメキシコに在る、SPW財団秘匿の 「地下隔離施設」 で
『柱の男』 と一生仲良く暮らして貰うがな」
「?」

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