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STARDUST唐eLAMEHAZE
第一部 PHANTOM BLAZE
CHAPTER#19
戦慄の暗殺者X 〜Heat Capacity〜
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その銃で撃たれた “フレイムヘイズ” は、
全身が己の炎に包まれて灰燼と化すらしい”


 今のが、その銃に装填された 「弾丸」 がシャナに着弾した結果
起こった現象なのか?
 それとも、仲間であった花京院すら知らない全く別の 『能力』
 (いず)れにしても、あの「爆発」の後では、
余波ですらアノ凄まじいまでの破壊力を引き起こす
能力の 「直撃」 を受けてしまっては。
 もう。
 もう……
 最悪の事象が、思考の中で形造られていった。
 しかし意識は、頑強にその形成に叛逆した。
 そんな筈は、ない。
 そんな筈はないッ!
 今朝まで、否、ついさっきまで、自分の 「傍」 でやかましく騒いでいたのだ。
 まだ年端もいかない、身に不釣り合いな凛々しい瞳と艶やかな黒髪を携えた
“フレイムヘイズ” の少女が。
 この世ならざる空間、 “封絶”
 その中で、今日まで勇敢に戦い続け数多くの生命を護ってきた
紅い髪と瞳の少女。
 誰に称えられる事なく、誉められる事もなく、
人外のバケモノ達を相手に血塗れで闘ってきた筈の少女。
 何れその命尽きる時も、誰に知られる事もなく
戦場の荒野で散っていく事のみを定めづけられた、悲憐の存在。
 その事自体に自分が言う事は何もない、
ソレはきっと、少女が自分で決意した事なのだから。
 少女が自分で選び取った己の 「戦場」 なのだから。
 その事に、自分が何も言える筈はない。
 だが。
 そんな戦の申し子のような暮らしを続ける修羅の少女にも、
微かではあるがようやく 「救い」 が訪れる筈だったのだ。
 戦い続ける運命(さだめ)は変わらないだろう。
 これからも少女は、戦場で血を流し続けるのだろう。 
 でもそんな少女にもようやく 『帰るべき場所』 が出来る筈だったのだ。
 心も躰も傷だらけでも、
その身を癒す場所とその心を包んでくれる者達が居る処、
“家族” の居る場所が。
 自分の祖父、 “ジョセフ・ジョースター” との出逢いによって……ッ!
 闘う以外、何も知らない少女。
 本来闘いに向かない 「女」 であるのに、
自ら “フレイムヘイズ” という過酷な道を選んだ少女。
 でもようやく、これから始まる筈だったのだ。
 少女の、シャナの、 “人” としての 「生」 が。
 それが。
 それ、が。
 こんな、こんな死に方。
 在り得る筈がない。
 在って良い筈が、ない!



『何人もの人間の生命を救っておきながら、
自分自身は最後まで救われない結末など!』



「シャ……ナ……」
 口唇から、意図せずに少女の名が零れる。
 そう、少女には、祖父と出逢うまで、
自分の 「名前」 すら無かったのだ。
「シャナァァ
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