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八神家の養父切嗣
六十一話:神
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理だろう。

「ディバイン・バスター!」
「くははは! 止まって見えるよ。それでは私には当たることはない!」

 地面を抉り直線方向にあるもの全てを吹き飛ばす砲撃が放たれる。だが、その程度では今のスカリエッティに当てることはできない。まるで蝶が舞うようにひらりと躱してしまう。常に高速で動く的に当てることはできない。しかしながら。


「ほんなら―――ここらへん一帯ごと消し飛ばそーか」


 的が動く枠そのものを破壊してしまえば問題はない。
 
 はやてが掲げた杖を中心として巨大な魔法陣が現れる。三角の頂点それぞれに魔力が収束されていき、効果の異なる砲撃が生み出される。かつてはやてが闇の書の闇を滅ぼす時に一度だけ見せた終焉の一撃。

「生きとるんなら、神様だって殺してみせる」
「その技は……神々の黄昏」

 北欧神話により語り継がれる世界の終焉。栄華を誇った神々といえど世界の滅びからは逃れることはできない。全ての終わりは初めから定められた運命。争いの末に世界は巨人の持つ剣により焼き尽くされる。


「響け! 終焉の笛―――ラグナロクッ!!」


 蒼天の書の魔力を全て絞り出した超特大の砲撃。着弾と同時に広域に拡散するその攻撃から逃れることはできない。何よりこの攻撃は逃げる場所など与えてはくれない。魔力攻撃では人は死なないという特性を生かして味方すら巻き込む威力で放っているのだ。

 この攻撃から逃れられるのは使用者のはやてとツヴァイのみ。フェイト達も自爆は覚悟の上だ。自分達も気絶はするが相手も気絶をする。数の上で優位に立っているからこそ使える最終手段だ。これにはさしものスカリエッティも為す術がない。

「まさか…ここまで……完全に予想外だ」

 まるで壁が迫ってくるような砲撃に愕然とした声を零すスカリエッティ。全くもって予想外であった。彼らの決して諦めることのない意志の強さも、時間を操る自分にここまで対抗するのも、予想外であった。

 現状では彼にこれを防ぐ術はない。どれだけ加速して逃げようとも広域殲滅の攻撃からは逃れられない。自分の攻撃で押し返すのも不可能だ。SSランクのはやてに魔力勝負を挑むなど自殺行為だ。時間を減速しても、加速しても、逃れることはできない。ならば、もはや―――



「―――もっとも、想定の範囲内だがね」



 ―――時を止める(・・・・・)のを躊躇する必要などない。

 世界が止まる。今まさに全てを滅ぼそうとしていた神々の黄昏(ラグナロク)も停止する。動いているのは生きている者達だけ。それ以外の全ては時を止めている。動くことはない。ただ、停止している。

「嘘…やろ…?」
「言わなかったかね? 私は世界の時を―――支配していると」

 信
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