第一部 PHANTOM BLAZE
CHAPTER#17
戦慄の暗殺者V 〜Illuminati Cradle〜
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御為に
その命頂戴させてもらうわッ! 覚悟なさい!」
ドレスの少女はそう清冽な声で鋭く言い放ち、
そして長 衣を先鋭に翻す。
その容貌は少淑女とでもいったような上品な佇まいだが、
仕える主を 『ご主人様』 と呼ぶ等所々が妙に子供っぽい。
その懸 隔が見る者によっては抗いがたい強烈な魅力となるが、
承太郎はその凛とした宣戦布告とは裏腹に剣呑な表情で応じる。
「やれやれ。見た目が変わろーがホーグとかいう「得物」持ってこよーが
結果は何も変わらねーぜ。また痛い目みねー内にとっととご主人様ン所にズラ帰えんだな?
“マリアンヌ” だったか?」
少女の露わな素肌から立ち昇る、
アイリスやブルガリアン・ローズ等が絶妙にブレンドされた甘い香気に
承太郎は眉一つ動かさず言い放った。
「フッ、甘いわね? 空条 承太郎?
今のこの「姿」こそが、ご主人様が私の為に創って下さった私の 『完成体』 なのよ。
この前の私と同じだと想っていたら、痛い目を見るのはアナタの方だわ」
主に対する絶対的な信頼がそうさせるのか、
マリアンヌは余裕の表情でそう返す。
「……」
その言葉に承太郎は嘆息をつき学帽の鍔で目元を覆う。
「やれやれ。そんな掴めば折れちまいそうな細腕で何言ってやがるんだか。
『スタンド』 を使う間でもねぇ。 「今」 のテメーじゃ生身のタイマンでも楽勝だぜ。
女を殴る趣味はねぇ。今すぐオレの前から消えろッ!」
そう宣告し三度突き出した指の先でマリアンヌを射す。
曾祖母譲りの、威風堂々足るその風貌。
しかしマリアンヌは小悪魔的な微笑と共に彼へと問い返す。
「ウフフフフフフフフフ。
一体何をそんなに焦っているのかしら?
「上」にいる “炎髪の小獅子” がそんなに心配なの?」
「……ッ!」
予期せぬ指摘に一瞬虚を突かれたかのように承太郎の視点が遠くなるが、
すぐに強靱な意志で表情を引き締める。
「テメーの知ったこっちゃあねぇ話だ。
アラストールのヤツも傍に居る。何も問題はねぇ。」
「フフフフフフフフフフ。 “だから甘い” というのよ。空条 承太郎。
アナタは今、余計な事に意識が逸れていて目の前の存在の「本質」に気がついていない」
マリアンヌの、その明らかに含みのある言葉に承太郎が反応する。
「……だと?」
疑念を浮かべた承太郎によく聞きなさい、
と前置きしてからマリアンヌは告げる。
「今の私のこの 「姿」 は、アナタを 「討滅」 する為のモノではないし、
ましてや戦闘用のソレでもない。もっと遠大なる 「目的」 の為に創られたモノ。
その 「本質」 を理解していないアナタに勝ち目はないわね? 空条 承太郎」
「……ッ!?」
自信に満ち
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