第一部 PHANTOM BLAZE
CHAPTER#17
戦慄の暗殺者V 〜Illuminati Cradle〜
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ていた。
しかしその本質は装飾用のソレではない、
「使う者」次第によってどんな屈強な刀剣をも凌駕し
どんな頑強な甲冑すらも粉砕する超絶の波紋兵器だ。
似たような形状をしている以上、そして先刻の奇怪なトランプも含めて
少女の纏う長 衣にも、何らかの「特殊能力」が付加されていると
視るのが妥当だろう。
それならば衣擦れによって長 衣の微妙な動きを感知する為に
素肌を露出しているのも頷ける。
曾祖母も実戦を想定した戦闘訓練の時は、
常に軽装でしかも動きやすい薄地の服を着ていた。
仮に “ジョースター” の血族であるエリザベスを光の女神と喩えるならば、
『DIO』 の使い魔である眼前の少女はその対極、
差詰め影、闇の隷 女。
その闇の美少女が髪と同色の、宝石のようなパールグレーの瞳で
真正面から承太郎の瞳を鋭く射抜き静謐に語りかける。
「それにしても……よく私の「居場所」が解ったわね?
空条 承太郎。影も形も完璧に消し去った筈なのに」
清純な姿に相応しい美しき声で、異界の美少女は承太郎に言った。
「そりゃあそんだけ強烈な 「殺気」 を四方八方に撒き散らしてりゃあな。
マヌケな猫でも近寄る前に逃げていくぜ。
“ソイツ” の 「能力」 で透明になっても意味ねー」
そう反論し承太郎は逆水平の指先で、
艶やかな胸元でサラサラと梳き揺れる長衣を指差した。
「流石の洞察力ね。ご主人様から譲り受けたこの「宝具」
『ホワイトブレス』 の特性を一目で見破るなんて」
純白の長 衣がその軽さ故まるで陽炎のように
少女の周囲で揺らめいている。
「身内に似たようなモン持ってるのが一人いるんでな。
だが、その「能力」は “透明になる” なんてなチャチな代モンじゃあねーぜ。
本気で 「使え」 ばブ厚い鋼鉄の扉でもブチ砕いちまうからな」
承太郎は少し得意気に少女へ説明すると、即座にその表情を引き締めた。
「確かテメーは、一昨日街中でオレにケンカを吹っかけてきやがったヤツの片割れだな?
悪趣味なマネキンの首玉ン中に潜んでやがった金髪の女。
「見た目」が少々変わっちゃあいるが、声と雰囲気で解るぜ」
承太郎の問いに目の前で佇む異界の美少女は、
その長く麗しいパールグレーの髪をたおやかにかきあげる。
フワリ、と舞い上がった髪が、まるで絹糸のように優しく空間を撫でた。
「アナタの推察の通りよ。
私は壮麗なる紅世の王 “狩人”フリアグネ様の忠実なる従者。
“燐子” マリアンヌ」
マリアンヌと名乗った美少女の形の良い耳元に、
磨かれたアメジストのピアスが煌めいていた。
「私のご主人様。そしてそのご主人様が敬愛する “アノ方” の
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