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STARDUST唐eLAMEHAZE
第一部 PHANTOM BLAZE
CHAPTER#17
戦慄の暗殺者V 〜Illuminati Cradle〜
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日常の場と化した廊下を疾走する無頼の貴公子。
 その怜悧なライトグリーンの瞳が一点、何かを捉える。
「ッ!」
 承太郎はスタンドの「脚」を使って摩擦熱を伴いながら急ブレーキをかけ、
それ自体は決して珍しくない、しかしその存在の「有り様」が実に異質な
ソレに視点を向けた。
 中空に浮き上がり窓から漏れる白光に妖しく煌めく「長方形」
 くるりと軽やかに回って見せた図柄は、身の丈を越える大鎌を肩口に掲げる死神
“JOKER”
(トランプ……か……?)
 その宙に浮く、一枚のカードからはらり、と、存在しないはずの二枚目が落ちた。
続けて三枚目、四枚目……月下の白光に酷似した光に反照するカードが
次々と空間に零れ落ち、そして舞い上がり、どんどん増えていく。
 やがてトランプの規定枚数52枚を超えて増殖し、無軌道に宙を固まって
紙吹雪ように舞い踊るソレは、徐々に速度を速めながら渦巻いて承太郎を取り囲み
周囲半径5メートル以内を完璧に覆い尽くす。
 現実性を完全に欠如した光景。 
 まるで奇術師のいない悪趣味なマジックを魅せられているようだった。
 承太郎は周囲を警戒しながら、静かに臨戦体勢を執る。
(コレが……アラストールのヤツが言ってやがった
スタンドと同質の能力(チカラ)を持つ道具、
紅 世 の 宝 具(グゼノホーグ)” とかいうヤツか?
やれやれ全く薄気味悪いったらありゃしねーぜ)
 心の中で毒づきながらも承太郎は研ぎ澄まされた五感を総動員して
カードの動きを追跡しながら集中力を高めていく。
 突然、そのカード群の軌道の一つが周囲から外れて
流れ始めたと思うと、一方を指向する。
 承太郎の首筋、頸動脈の位置を。
 続けて他のカード達もそれぞれ軌道を外れて各々の流れを造り出すと、
同じようにそれぞれの指向を刺し示した。
 人体の急所、頚椎、眉間、鳩尾、背梁、脇影、聖門、手甲、
そして三 陰(アキレス腱)を。
 そしてギリシア神話に出てくる玖 頭(きゅうとう)の蛇、
ヒュドラのように鎌首を(もた)
それぞれが差し示した致命点へと高速で襲いかかってきた。
「スタープラチナァァァァァッッ!!」
 承太郎の猛りと共に、ストリートダンスの 「フロア・ムーブ」 のような、
()した高速廻転錐揉み状態で出現したスタンド
星 の 白 金(スター・プラチナ)』 がそのままの体勢で前後左右、
あらゆる角度から致命点へと襲いかかる死のカードに向けて
貫き手の乱打を射出する。
「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ!!!!」
 その流麗且つ壮絶な姿、まさに輝く黄金の竜巻、否、煌めく白金の乱気流。
「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオ
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