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STARDUST唐eLAMEHAZE
第一部 PHANTOM BLAZE
CHAPTER#17
戦慄の暗殺者V 〜Illuminati Cradle〜
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渡る主の反対を押し切ってまで
自分は危険な相手にその身を晒したのだ。
「ス、スゴイ……ッ! 
コレがアノ “天目一個” すらも凌駕する、地上最強の 「ミステス」
『星の白金』……! ソノ真の能力(チカラ)……ッッ!!」
 この力を手に入れ、ソレを主の為に役立てる事が出来たのなら、
その至福で自分は一体どうなってしまうのか?
 湧き上がる期待と高揚で心が盪けそうになるのを
マリアンヌは懸命に押し止めた。
「……け……るな……!……れ…………う……」
 目の前で歓喜を輝かせるマリアンヌとは正反対に、
顔を俯かせ怒りを軋らせる承太郎。
 きつく握り締められた拳の中で、爪が皮膚を突き破り
流れ出した鮮血が冷たいリノリウムの床に染みていった。
 決意のように。誓いのように。
 挑発されているのは、解っていた。
 しかしッ!
 心の深奥から際限なく噴き上がってくる、
マグマのような途轍もない怒りは抑えようがなかった。
 そう。
“こんな事を聞かされて頭にこないヤツはいないッッ!!”
 承太郎の全身からさらに膨大な量のスタンドパワーが迸った。
 彼の心中を代弁するが如く。


 
 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!
 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!
 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!!!



 脳裏に、一人の子供の姿が過ぎる。 
 2日前、自分の母親の傍らで、存在の残滓すらも遺さずに掻き消えた、
年端もいかない子供の姿が。
 その消滅に気づかない傍らの母親。
 紅い “封絶” の(なか)遺言(ことば)も無く消えて逝った者達。
 圧倒的で一方的な 「悪」 の前に、無惨に喰い潰されていくしかなかった人々の姿が、
閃光のように承太郎の脳裏を駆け巡った。
 そして、それが、いま再び、
未だ嘗てないほどの 「規模」 で執り行われようとしている。
 不安、恐怖、怒り、絶望。
 承太郎の裡であらゆる負の感情が堰を切って、更に激しく渦巻き始めた。
 確かに、DIOや紅世の徒のような強大な力を持つ者達からみれば、
スタンド能力を持たない生身の人間など、
取るに足らない脆弱な存在なのかもしれない。
 そして生物界の基本原則、 「弱肉強食」 の鉄則からすれば
弱い者は何をされても仕方がないのかもしれない。
 しかしッ!
 例え能力(チカラ)を持たなくとも。
 強大な悪意の前では儚く消え去る存在であったとしても。
“だからこそ” 毎日を懸命に生きている人々の生命(いのち)を、
少しずつでも創りあげたささやかな幸福を、




『無惨に踏み躙る事が出来る 「権利」 など! 決して誰にも有りはしないッッ!!』 




 その人間の想いの全てを。
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