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STARDUST唐eLAMEHAZE
第一部 PHANTOM BLAZE
CHAPTER#17
戦慄の暗殺者V 〜Illuminati Cradle〜
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ーの瞳には、
その 「行為」 に対する背徳感も罪悪感も
まるで感じ取るコトが出来ない。
 それどころかその 『都喰らい』 という人間の、
否、「存在」 の 『大消滅』 を何かとても 「崇高」 なモノ、
或いは 「神聖」 なモノとでも想っているようだった。
 数十万単位の人間の 「生命」 が、自分の 「躰」 に流し込まれる事に対して
微塵の恐怖も嫌悪も感じてはいない。





“人間では、ないのだ”




 空条 承太郎は、否が応にもその事実を思い知らされた。
 幾らその姿が、人間に酷似しているとしても。 
 自らの宿敵、 『DIO』 もまた、嘗て己が祖先に対する血染めの裏切りによって
人間の心を完全に捨て去った者。 
 全ての人間が生まれながらに持っている筈だった “ある感情” を、
己がドス黒い意志と欲望でその全てを潰滅させた真の邪悪。
 いま目の前にいるこの少女は。
 その主、 “紅世の王” は、ソノ――



 DIOの使徒。
 邪悪の信徒。
 生命と精神の簒奪者。 



「ぐっ……! ううぅっっ……!!」
 怒りで身を震わせる承太郎の口元から、
手負いの獣の如き強暴な呻り声が漏れる。
 マリアンヌは一瞬驚いた表情を見せたがすぐに、
たおやかな微笑を浮かべ満足そうにその様子を(すが)めた。
「フフフ……フフ……ウフフフフフフフフフ……ッ!」
 ルージュの引かれた耽美的な口唇から、意図せず少女の微笑が零れる。
 欣快(きんかい)
 2日前、アレだけの燐子の大群を前にしても掠り傷一つ負わず、
更に自分を地に這わせるというこの上ない 「屈辱」 与えたこの男が、
今、ただの 「言葉」 で苦悶の形相を浮かべているというその事実。
 マリアンヌにとってもその反応は予想外だった。
しかしだからこそ、余計にソレが何にも代え難い
愉悦である事がより深く身に沁みた。
“いま自分がこの男を苦しめている” というコト。
 それに、よく見ればこの男は、
主には及ばないが人間にしてはかなり美しい風貌をしている。
 単に物理的な造形や構成の美しさではない、
その内に宿る強靭で高潔な精神に裏打ちされた、
それこそ存在そのものが放つ真正の至純美。 
 その風貌が、自分の紡ぎ出す言葉で苦悶に歪むソノ悦楽。
 まるで完成された芸術品を感情一つで粉々にするような、
倒錯した愉悦だった。 
 もっとコノ男を苦しめてみたい。
 肉体的にも、精神的にも。
 もっと。もっと。
 臍下(せいか)の深奥から湧き出てて全身を駆け巡る
何よりも甘美で危険な昏い熱をその肌に感じながら、
マリアンヌは蕩けるような微笑を口唇に浮かべた。
「フフフフフフフフフフフ。人間とは
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